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海外のショートストーリーズ翻訳集  作者: はまゆう


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11/11

若き王 オスカー・ワイルド

戴冠式を翌日に控えた夜、若き王は美しい私室で一人、椅子に身を沈めていた。儀礼を重んじる宮廷の習わしに従い、廷臣たちは皆、地面に頭を擦り付けて退出した。彼らは『エチケット教授』から最後の指導を受けるべく大広間へと向かったのだが、中にはまだ自然な振る舞いを残している者もいた。言うまでもなく、廷臣にとってそれは重大な過ちである。

まだ十六の少年に過ぎない王は、彼らが去ったことに安堵の溜息をつき、刺繍を施したカウチの柔らかいクッションに背を預けた。狩人に捕らえられたばかりの森の若き獣、あるいは木精ファウヌスのように、その瞳を大きく見開き、口を半開きにしていた。

実際、彼を見つけたのは狩人たちだった。山羊飼いの群れを追い、パイプを手に素足で歩いていたところを、偶然見つけられたのだ。彼は自分がその山羊飼いの息子だとばかり信じていた。先王の唯一の娘が、身分違いの異国人と密かに行い、身ごもった子。あるいは、娘が溺愛し、突然姿を消したリミニの画家の子とも噂された。生後間もなく母の傍らから盗み出された彼は、森の奥深くで子を持たない貧しい農夫夫妻に預けられた。王女は彼を産んだ直後、悲嘆、あるいは疫病、それとも密かな毒殺により、目覚めぬまま命を落とした。彼を抱えて馬を走らせた使者が山羊飼いの小屋の戸を叩いたとき、王女の遺体は街外れの教会墓地へ運ばれていた。そこには、背後で手を縛られ、胸にいくつもの刺し傷を負った、異国情緒あふれる美貌の若者の遺体が共に埋められていたという。

人々はそう囁き合っていた。先王が死の床で、罪への後悔からか、あるいは血筋を絶やさぬためか、彼を呼び寄せ、評議会の前で後継者と認めたのは事実だ。

その瞬間から、彼の運命を決定づける「美」への異様な情熱が芽生えたようだった。彼が用意された豪華な私室に案内されたとき、繊細な衣装や宝石を見て発した感嘆の声や、古い革のチュニックや羊皮の外套を脱ぎ捨てる際の激しい喜びは、廷臣たちの間で語り草となった。森での自由を懐かしみ、煩わしい宮廷儀礼に苛立つこともあったが、「ジョイユーズ(歓喜)」と名付けられたこの巨大な宮殿は、彼にとって喜びのために創造された新しい世界のように見えた。評議会を抜けると、金メッキの獅子や斑岩の階段を駆け下り、美の中に痛みへの鎮痛剤を求めるように、部屋から部屋へと彷徨い歩いた。

ある時は長い髪の小姓たちを伴い、しかし多くは一人で歩いた。芸術の秘め事とは密やかに学ぶものであり、美とは知恵のごとく、孤独な崇拝者を好むと直感していたからだ。

この時期、彼にまつわる奇妙な噂は尽きなかった。ヴェネツィアから届いたばかりの、新しい神々の崇拝を予感させる巨大な絵画の前で、彼が跪いて礼拝していたのを市のお偉方が目撃したとか、北の塔の小部屋で、アドニスの姿が刻まれたギリシャの宝石を恍惚として眺めていたとか。ハドリアヌスの奴隷の名が刻まれた、川底から発見されたアンティーク像の冷たい額に、熱い唇を押し当てていたという話もあった。一晩中、月光を浴びるエンディミオンの銀像を見つめ続けたこともあった。

珍しい素材への執着も凄まじかった。北海の漁師から琥珀を、エジプトの王の墓から魔力を持つとされる緑色のトルコ石を、ペルシャから絨毯を、インドから象牙や翡翠を求めて商人を送り出した。

中でも彼を夢中にさせたのは、戴冠式で纏う黄金の織物と、ルビーで飾られた冠、真珠を連ねたしゃくであった。今夜も、暖炉で燃え尽きようとする松の薪を見つめながら、そのことを考えていた。最高の芸術家に依頼し、世界中から宝石を集めさせたものだ。大聖堂の祭壇で王の装束を纏う自らの姿を空想し、少年のような唇に笑みを浮かべ、深い森のような瞳を輝かせていた。

やがて彼は席を立ち、彫刻が施された暖炉の柱に寄りかかり、部屋を見渡した。「美の勝利」を描いたタペストリー、アゲートとラピスラズリを嵌め込んだ戸棚、金細工の漆パネルが施された飾り棚には、ヴェネツィアングラスの杯とオニキスのカップ。ベッドのカバーには眠りからこぼれ落ちたかのようなケシの花が刺繍され、アイボリーの柱がベルベットの天蓋を支えていた。そこからダチョウの羽毛が、銀色の天井に白い泡のように広がっていた。

窓の外には大聖堂の巨大なドームが影の中に浮かび、川沿いのテラスでは疲れ果てた衛兵が歩哨に立っている。遠くの果樹園ではナイチンゲールが鳴き、ジャスミンの微かな香りが漂っていた。彼は額の茶色の巻き毛をかき上げ、リュートを手に取り、弦を弾いた。瞼が重くなり、奇妙な倦怠感が彼を襲った。これほどまでに美しきものの神秘と魔力を、切実に、そして至高の喜びをもって感じたことはなかった。

時計塔が真夜中を告げると、彼はベルを鳴らした。小姓たちが現れ、儀式に従って衣服を脱がせ、手にバラ水を注ぎ、枕元に花を撒いた。彼らが去った後、王は眠りに落ちた。

そして、彼は夢を見た。

夢の中で、彼は工場の屋根裏にいた。糸車が回る騒音の中、窓からの貧弱な光に照らされた、骨と皮ばかりの織物工たちが織機に向かっていた。彼らの顔は飢えでこわばり、細い手は震えている。王が近づくと、一人の職人が怒って言った。「なぜ見ている?主人が送り込んだスパイか?」

「お前の主人とは誰だ?」と王は尋ねた。

「我らが主人!我らと同じ人間だが、奴は贅沢な服を着て肥え太り、俺は襤褸を纏って飢えている」

「この国は自由だ。お前は誰の奴隷でもない」

「戦争では強者が弱者を奴隷にし、平和な時代には金持ちが貧者を奴隷にする。我々は生きるために働き、彼らは我々に死ぬほどの僅かな賃金しか与えない。我々がぶどうを踏み、彼らがワインを飲む。我々が麦を植え、食卓は空っぽだ。目には見えぬ鎖に繋がれた、奴隷なのだ」

「それがすべてなのか?」

「そうだ。若者も老人も、子供も皆同じだ。我々が苦しんでいる間、司教は祈るだけで誰一人として見向きもしない。我々の暮らす薄暗い路地には貧困と罪が潜んでいる。だが、そんなことはお前には関係ないだろう。お前の顔はあまりに幸せそうだからな」

職人が苛立たしげに投擲機を放り投げると、そこには黄金の糸が通っていた。

「その織っている服はなんだ?」と王が尋ねると、職人は答えた。

「若き王の戴冠式のためのローブだ。お前に何の関係がある?」

王は叫び声を上げて目覚めた。窓の外には、蜂蜜色の大きな月が浮かんでいた。

再び眠りに落ちると、次の夢を見た。

彼は百人の奴隷が漕ぐ巨大なガレー船の甲板にいた。黒檀のように黒い肌をした船長が、銀の耳飾りを揺らし、象牙の天秤を手に座っている。奴隷たちは鎖に繋がれ、鞭で打たれながら重い櫂を漕いでいる。

彼らは小さな入り江に達した。船長は一人の奴隷の足枷を外し、耳と鼻に蝋を詰め、腰に大きな石を結びつけた。奴隷は海へと沈んでいった。しばらくして、その diver(潜水夫)は息を切らして浮上し、右手に美しい真珠を握っていた。これを繰り返すうちに、真珠はどんどん溜まっていく。

最後に潜水夫が浮上したとき、その真珠はオルムズのどの真珠よりも美しく、満月のように輝き、明けの明星よりも白かった。しかし、その顔は青ざめ、甲板に倒れると耳と鼻から血が噴き出した。潜水夫は震え、動かなくなった。船長は肩をすくめ、遺体を海へ投げ捨てた。

「これは若き王のしゃくのために」と船長は笑い、真珠を額に押し当てた。

王はその言葉に叫び声を上げ、再び目覚めた。窓の外では、夜明けの灰色の指が消えゆく星々を掴もうとしていた。

三度目の夢を見た。

王は、怪しげな果実と毒のある花が咲き乱れる暗い森を彷徨っていた。森を抜けると、干上がった川床で、無数の男たちがアリのようにひしめき合い、岩を砕き、砂を掘り返していた。

闇の中から「死」と「強欲」が現れた。死神が「疲れた。三人分の命をくれ」と言うと、強欲は「彼らは私の僕だ」と拒んだ。死神が「トウモロコシの種を一粒だけでいい、種をくれれば去る」と言っても、強欲は断固拒否した。

死神は笑い、カップを水たまりに浸した。中から「熱病(Ague)」が現れ、群衆の三分の一が死んだ。強欲が泣き叫んでも、死神は止まらない。次に「発熱(Fever)」が放たれ、さらに多くの命が奪われた。最後に死神が指笛を吹くと、「疫病(Plague)」の女が現れ、その翼で谷を覆い、生き残る者は誰もいなくなった。

王が「彼らは何のために求めていたのだ?」と尋ねると、後ろにいた巡礼者が「王の冠のためのルビーだ」と答えた。

「どの王だ?」

「この鏡を見よ」

鏡に映った自分の顔を見た王は、叫び声を上げて目覚めた。

朝日が降り注ぐ中、侍従と高官たちが現れ、黄金の織物と冠、笏を差し出した。

王はそれらを見て言った。「これらを片付けろ。私は纏わない」

廷臣たちは驚き、嘲笑した。「王様は冗談を言っている」

しかし王は厳かに告げた。「これらを隠せ。このローブは『悲しみ』の織機で、『痛み』の白い手によって織られたものだ。ルビーの芯には血があり、真珠の芯には死がある」

そして、見た三つの夢を語った。

侍従が言った。「陛下、そのような暗い考えを捨ててください。王の服を纏わねば、人々は王だと認識できません」

「そうなのだな。王の装束がなければ、私だと分からないのか」

「さようでございます」

「ならばよい。私は山羊飼いとしてここに来た。そのまま出ていく」

王は小姓を一人だけ残し、大きな箱から例の古い革のチュニックと羊皮の外套を取り出し、身に纏った。手には山羊飼いの杖を持った。

小姓が「陛下、ローブと笏はありますが、冠はどこですか?」と尋ねると、王はバルコニーに絡まる野生のイバラを摘み、輪にして頭に乗せた。

「これが私の冠だ」

王は広間へ向かった。貴族たちは「乞食のような姿で人々に出るのか」「国家の恥だ」と怒り狂った。しかし王は一言も答えず、階段を下り、大聖堂へと馬を走らせた。

群衆は笑い、「王様の道化が来たぞ」と冷やかした。

王は馬を止め、「いや、私は王だ」と言い、三つの夢を語った。

群衆の一人が冷ややかに言った。「金持ちの贅沢が貧者の糧となり、王の pomp(壮麗さ)が我々を生かしている。我々の苦しみを何だと思っている。宮殿に帰り、立派な服を纏え。我々の苦しみに関わるな」

「金持ちと貧者は兄弟ではないのか?」

「そうだ。そして金持ちの兄の名は『カイン』と言うのだよ」

大聖堂の門で兵士に阻まれたが、王は彼らを退け、中に入った。司教は驚き、「息子よ、これが王の服か?悲しむべき日ではないか」と言った。

「『喜び』が『悲しみ』の作ったものを纏うべきでしょうか?」王はまたしても夢を語った。

司教は眉をひそめた。「世界には悪が満ちている。盗賊が子供をさらい、獅子が隊商を襲う。癩病患者が湿地で暮らし、乞食は犬と食べ物を分かち合う。お前に何ができる?獅子を従えられるか?乞食を食卓に座らせるのか?この世の重荷は一人で背負うには重すぎる。夢など忘れて、黄金の冠を被れ」

王は返事をせず、祭壇のキリスト像の前で跪き、祈った。

その時、大聖堂へ貴族たちが抜き身の剣を持ってなだれ込んできた。「夢想家め!乞食のような格好で恥をさらす若者を殺せ!」

王は祈り終え、彼らを振り返った。

その瞬間、ステンドグラスから差し込む陽光が彼を包み込み、用意されていたどんな服よりも美しい織物を彼に与えた。枯れた杖には真珠よりも白い百合が咲き、乾いたイバラにはルビーよりも赤い薔薇が咲いた。

彼は王の装束を纏っていた。至聖所の扉が開き、神秘的な光が放たれた。神の栄光がその場を満たし、彫像たちが動き出した。オルガンが鳴り響き、人々は畏怖して跪いた。貴族たちは剣を収めてひれ伏し、司教は青ざめて震えながら言った。

「私よりも偉大なるお方が、あなたに冠を授けられたのだ」

王は祭壇から降り、人々の間を通って帰路についた。しかし、誰もその顔を見ることはできなかった。その顔は、まるで天使のように輝いていたからだ。


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