なんだかんだで
少し短いです……
「とりあえずベッドはリーナが使ってくれ。俺はソファで寝るから」
そう言ったレジウスにリーナが、
「ん? 一緒に寝れば良いじゃない」
と、小首を傾げて言う。
「おまえなぁ? 俺も一応男だぞ?」
「嫁に貰ってくれるんだし、いいんじゃないの? 平民になった私が誰かに襲われ無いとも限らないし、さっさとレジウスに傷モノにして欲しいんだけど」
「子供できたらどうすんの? 貴族と離婚した女性は離婚が認められてから結婚出来るまで、一年間の婚姻失格期間があるだろう」
レジウスが言ったことは本当である。
これは離婚してから女性のお腹に子供が居ることが発覚すると、御家騒動になるため、誰の子供かハッキリさせるために作られた制度である。
一年と長い期間なのは、獣人だと妊娠期間が2年の種族も存在するためである。
「私、良いもの持ってるけど?」
「良いもの?」
「スライムの皮膜を使った避妊具」
そう言ってリーナがジャーンとか言いながら、小さな箱を見せる。
「なんでそんなもん持ってんだよ!」
と声を大きくしてレジウスが言う。
スライムを材料にした避妊具、名称をスライームと言うのだが、スライムの体液を干した皮膜は若干の伸縮性があり干すことにより耐性が向上する。
それに殺菌作用まであるので、避妊具に加工するのに最適だった。
なんと、ちゃんと使用すれば避妊率100パーセントである。
多少破れて漏れ出たとしても、殺菌作用で子種が死滅するからだ。
スライムは獲物を丸ごと体内に取り込み溶かして消化するので、体液は殺菌効果があるのだが干しても湿気で殺菌作用は復活するのだ。
それ以外にもシート状にして擦り傷などに貼ったりするので、スライムの養殖は盛んである。
「お母様が家を出る時に渡してくれたのよ」
と笑顔のリーナ。
「アマンダ様……」
アマンダとはリーナの母の名である。
その夜、レジウスとリーナがくんずほぐれずでベッドを共にし、翌日の夜はレジウスとレーナがベッドを共にすることになる。
というか、リーナとレーナの入れ替わりは、割と融通が利くようである。
はてさて、リーナというかレーナというか、とりあえず2人で共同生活を始めることになったレジウス。
「家を改築しましょう!」
とリーナが提案してくる。
「狭くて気に入ってるんだが? 掃除も楽だし」
「私の魔道具製作室が欲しいの」
そう言って上目遣いでレジウスの胸を、リーナは指でのの字を書くようにしながらおねだりする。
「あーなるほど」
レジウスが理解を示す。
てな訳で家の改築をする事になるのだった。




