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JOKERMAN  作者: ホーリン・ホーク
16/33

16.station

挿絵(By みてみん)


 アナザーサイド駅。

 プラットホームのベンチに座っているリリィとボビィ。

 ボビィはリリィの膝にもたれ、体を休めた。リリィはその頭を撫で、背中を摩る。

 駅に着いてボビィの喘息の発作が起きた。急がせたのがいけなかった。この不安な状況では無理もないと、リリィは謝った。


「……大丈夫だよママ」

 ゼェゼェとボビィは喘いでいる。

「ごめんね……」

 リリィはその肩を抱きしめる。

「ボビィ。あと二時間も待てる?」

 ノースフォレスト行きの列車は午後一時十五分。

「うん。……ねぇ、ママ」

「何?」

「ジョーおじさん、一人で……一人ぼっちで旅してるのかな」

「……多分」

「寂しくないのかな」

「そうね……」


 通帳を開き、リリィは見つめる。その通帳は独身の頃のもの。振り込まれた不明の大金に気づいたのは、フットプライドから去る決意をした時だった。アナザーサイド支店に行き、直接尋ねたが調べはつかなかった。



 旅立つ客。列車から降りてくる客。

 横になったままのボビィは虚ろな目で遠くを見つめる。ふと、階段の方に目を向けると駆け下りてくる姿にはっとし、むくりと身を起こした。


「ジョーおじさん!」

「ボビィ!」

 走り寄ってくるジョーの胸目がけ、ボビィは思わず飛び込んだ。


「どうしたの? おじさん……ゴホッ」

 咳き込み、ヒュウヒュウ息をするボビィの容態をジョーは察した。屈んでその背中を優しく撫で、いたわる。そして立ち上がっているリリィの顔を見つめた。


「ジョーさん……」

「君たちを追って、ある男がやって来た」

「え? まさか」

「もし、良ければ俺が力になる」

 深く憂えるジョーの眼差し。

「……放ってはおけないんだ」




挿絵(By みてみん)

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