表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/64

ー???視点ー


ダンッ!


男は激しくテーブルを叩いた。コップに入った酒がゆらゆらと揺れている。周りには誰もおらず、店主はカウンターの角に身を寄せている。



「くそっ!!どういう事だ、アルベルトの奴は毒溜病が治り、セリアを襲わせた盗賊は全て役立たずになりやがった!!」



「クックック、荒れてるねぇ、昼間から飲んでいるのかガーネフ。だから言ったろ僕に任せろって勇者の末裔であるこの僕に」



何処から来たのだろう。いつの間にか一人の青年がガーネフと呼んだ男に近づいている。どうやら二人は顔見知りみたいだ。



「うるせえショウ!!、、アルベルトは病人で既に虫の息、セリアさえ始末すれば、後はなんとでもなると思ったんだよ。」



「もうアルベルトの病死を待つことは出来ない、それにセリアは一人で遠出をする必要も無くなった、、、長男が見つかったそうじゃないか?」



「ぐっ!!うるせえ!!うるせえぇぇ!!」



「そう言えばガーネフ偶然(・・)良いもの拾ったんだ。」



「な、何を、、だ。」



怪訝そうに、だが、だが何かを期待するようにガーネフはショウと呼んだ青年を睨んだ。



「これだよ、王都ダンジョンの40階層ボス、キングプラントの種だ」



「何だそれは、、、詳しく話せ、ショウ!!」



「クックック、いいだろう、、植物王キングプラント戦闘能力は500ある化け物だ。まあ、野外はダンジョンと違い魔素が薄い、半日程で枯れてしまうが、、体長10メートルもある更にキラープラントを大量に召喚する、キラープラントは戦闘能力たった30しかない雑魚だが数で迫ればかなり厄介だろう。屋敷では戦えない者も居るしな。

 これは屋敷の敷地内に植えれば直ぐに生えてくるお手軽さ、これに乗じて始末すれば、魔物に襲われただけでお前が疑われることはないぞ。」



「ほお、、それで、、。」



ガーネフは先程までの不機嫌さを微塵にもみせず、更には口角を上げた醜い笑み浮かべている。



「それにガーディン家は王国の盾としても名門の天地族だ。始末出来なくても、それが魔物の襲撃で多大な失態をおかせばどうなる?」


「当主はその責任を負わなければならないな。」



「そうだ、その時に堂々とガーネフが当主になればいいだろう。」


ガーネフはニヤニヤとしながらも、ショウの意図を読もうとしている。



「ほう、なるほど良いこと言うじゃないかショウ、、んで幾らだ?、、幾ら払えばいいんだ?」




「そうだな、、僕はお金はいらない、ガーディン家が昔から保管している火の魔珠を貰おうか。」



「ん、そんなのでいいのか、魔力が有りそうな名前だが、、火の魔珠は只の赤い宝石だぞ。」



怪訝そうにするも、ショウの大したことのない要求で、何処かほっとしながらも視線はキングプラントの種が入った布袋からそらさない。本当に種をくれるのかを、、。



「いいんだよ、僕は綺麗なものが大好きなんだ。」



「後、宝石は俺が成功しないとやれないが、いいのか?」



「ああ、構わないよ」



「よし、交渉成立だ、、早速そのキングプラントの種をよこせ!!」



「いいか、、この種は袋から出した途端成長する、そして1時間で活動しだすぞ、、、そして匂いの魔素だ。これを屋敷に放り込め、、キングプラントは魔素を求めて屋敷に向かうはずだ、後は勝手に殺るだろう」

 


ガーネフは2つの袋を受け取った。受け取ったガーネフは満足げに2つの袋を眺めている。



「おお、何から何まですまんな、ショウ、楽しみに待っていろ。」



「クックック、楽しみにしてるよ、、、ああ、そうそう、ガーディン家当主のアルベルトは昨日からラインハルト領に行っているみたいだぞ右腕の騎士団長を連れてね。」



そう言って黒髪の少年は片手を挙げて立ち去った、、。



「フッ、ハハハハ、天は俺に味方している。これはもう天命だ、、フフフ、ハハハハ、これでガーディン家は俺の物だ、少しばかり早く生まれたからっていい気になるなよ、アルベルト!!」






 ◇










〈フローラ視点〉


「ねえレイン、もうそろそろリオンお兄様と話をしてもいいんじゃないの?」


 レインと何時ものお茶の時間、今日は天気も良かったので綺麗な中庭でお茶をしている。お花を観ながら飲むお茶は美味しい。私の楽しい時間だ。



 今日は私のお気に入りの紅茶と焼きクッキー。焼きクッキーを口にして、ちょっと苦味のある紅茶を含むの、、、お母様の飲み方を真似ましたの。



ふふふ、私も大人ね、それに引き換えレインは砂糖を6個も入れて、まだまだ子供だわ。



「ふん、アイツは平民育ちだ、、、僕とは違う僕は生まれも育ちも天地族だ、アイツが泣いて僕と仲良くしてくださいって言えば話をしてやらん事もない。」



フンと、鼻息荒く胸を張ってますけどレイン、お口の回りにチョコクッキーの屑がついてますわよ。



「はあ」



 ほんと、レインは子供よね、それに引き換えリオンお兄様は素敵だなぁ。

 凄くカッコいい、、着ている服は地味だけど、、、話しかけられると緊張して頭が真っ白になるのよね。

 この間は急に話掛けられて混乱して逃げちゃった、、嫌われちゃったかしら、、はぁ、ちゃんとお話してみたいな。



「そう言えば、、リオンお兄様は凄いね、お父様の病気を治したって聞いたけど、、お父様は何の病気だったんでしょうね?」



「ふん、僕だって、、僕だってお父様と同じ火魔法が上達しているし、剣術だってカイル先生が筋がいいって言われているんだぞ、、」



へへーんと鼻の下を擦ってますけど、チョコクッキーの屑が溶けてちゃってる、あっ、伸びてお髭になっちゃったわよ。



「私はお母様と同じ風魔法が上達しているもん。」



「何お、僕は、、、、」



 二人の何時もの会話が始まる、自慢大会である、専属メイド達も何時もの事とお構いなしである。



ガサ、ガサ



「何だ、、猫でも居るのか?」



んっ!



しゅるしゅるしゅる



「うわっ、、何だ植物が動いてるぞ!」



えっ、何この生き物?は、、気持ち悪い魔物?



「お下がりください、レイン様、フローラ様、こいつは低級モンスターです、キラープラントと言います。」



しゅるしゅるしゅる、シャー!!



キラープラントがツルを伸ばして襲ってきた。



サクッ!!



メイド騎士のアオイが細剣を構えキラープラントと私達の間に割り込み、伸びて来たツルを切り落とした。



 ガーディン家のメイドは騎士でもあるのだ。フローラとレインには専属のメイド騎士が5人ずつ常時付いてくれている。リオンは何故か6人いる。



「ハッ!!」



ザシュ!!



アオイが素早く更にキラープラントに近づき切りつけ、キラープラントは真っ二つになった。一瞬だった。流石ウチのメイド騎士達は優秀だわ。



キラープラントは凄く小さな魔石を残して光の粒子になって行った。



「ふう、キラープラントは戦闘能力30しかないので大したことありませんが、どうして敷地内にいるのでしょうね?」



アオイが小さな魔石を拾いながら首をかしげた。



ガサガサ、、



しゅるるるる、、、



シャー!!



「アオイ、危ない!」「えっ!!」



ザシュ!!



メイド騎士アカリがアオイに伸びて来たツルを切り落とし、駆け出した勢いのまま、キラープラントを追撃切り伏せた。



「アオイ、油断し過ぎよ、、、、それに良く見て一体だけじゃないみたいよ」



「アカリ、助かったわ。えっ何?、、うそ、、何て数なの、、、レイン様、フローラ様、ここは危険です、屋敷に避難しましょう、屋敷は魔法障壁が展開出来るはずです。」



「ええ、分かったわ、ほら、レインもボーッとしてないで避難するわよ」



「あ、ああ、分かってるよ。」




アカリとアカリが屋敷までの途中で数体のキラープラントを倒し無事に屋敷まで行着いた。既にお母様が屋敷の前で指揮をとっている。私達を確認すると安堵の顔を見せた。私もお母様を見てホッとした。



「レイン、フローラ無事でよかったわ、アオイ、アカリありがとう、、、これでみんな避難出来たわね」



見渡すと屋敷に待機中のガーディン騎士団5人、メイド騎士30人これが、今の屋敷での戦闘力なのです。騎士団はすでに屋敷に押し寄せるキラープラントと戦闘をしている。



「「「「「はい、セリア様」」」」」



「さあ、急いで魔法障壁を展開するわよ、戦闘能力300までの攻撃は耐えれるから、アルベルトが戻るまで時間稼ぎにはなるわよね、、、ただ、外との連絡手段がないからそれまでは耐えるしかないわよ、いいわね?」



「セリア様それは致し方ありません。ただ魔法障壁展開後はセリア様、レイン様、フローラ様だけでも屋敷の奥に避難した方がよろしいかと。」



執事のセバスが申し訳なさそうに言った



「ダメよ、相手も目的も分からない、それに、皆が頑張ってくれているのに私達だけ逃げたら天地族の恥、アルベルトに顔向け出来ないわ。」



「セリア様、、、」



「でもねセバス。ガーディン騎士団は優秀よ。交替で見回りをしているわ、きっと、異変に気付き応援を呼んでくれる事を期待するわ。、、さぁ、、魔法障壁展開!!」



セリアの合図で屋敷を中心にコンパスで円を描く様に周りを魔法障壁が展開していく。



「障壁の中に入っているキラープラントは早く対処して!!近づかれていたから数十体は魔法障壁の中に入っているわ!!」



「「「「「はい!!セリア様」」」」」



シルビの指揮でメイド騎士団が素早くキラープラントを排除していく、お陰で大した被害もなく倒したみたいね。流石だわウチのメイド騎士団は




ただ、時間が経つにつれ魔法障壁におびただしい数のキラープラントが張り付いていくわ、既に100体は越えている、、大丈夫よね?



、、そして、私達は更に恐怖で顔を青ざめる事となったの。



「お母様、あれは何?」



「「「「何なの」」」」



「セリア様、大変です!!キラープラントの奥に体長10メートル程のプラントがいます。」



「何なの、、あのプラントは!!どうしてウチの敷地に居るのよ、セバスお願い鑑定眼鏡を持ってきて」



「はい、畏まりました」



返事をしたセバスは急いで屋敷に駆け込んでいく



「あんなのに攻撃されて魔法障壁、、大丈夫よね、、」



大きなプラントがどんどん近づいてくるわ、大丈夫なの、不安で思わずお母様を見上げると、お母様の顔色は悪く額にうっすらと汗が見える。



「セリア様お持ちしました」



「ありがとう、、、セバス」



セバスから鑑定眼鏡を受け取ったお母様は眼鏡を掛けている、皆の視線がお母様に集中している。皆不安なんだわ。



「きっ、キングプラントですって!!戦闘能力500こんな怪物が何でいるのよ、、王国の近衛騎士団1小隊位いないと倒せないわ、、、こんな怪物相手したら魔法障壁なんて1分も持たないわよ、、」



お母様が何か考え思い付いた様に話す



「レイン、フローラいいかしらよく聞きなさい。、今から直ぐ屋敷の地下に避難して、、地下室なら上が屋敷が壊れても安全に出来ているわ。何が狙いか分からないけど、こっちに近づいて来ているのは確かだから兎に角隠れているのよ。」



「「イヤよ」だ」



「レイン、フローラ、ごめんね、もう時間がないの、、、セバスお願い、、騎士団とメイド騎士団は魔法障壁が破壊されたら、、私と防御魔法を発動して少しでも時間稼ぎするわよ」



「セリア様もどうか避難して下さい」



「ダメよ、当主の居ない今の私はガーディン家の当主代理なの、それに、みんなを置いて行けないわ。」



「そう、、でございますな、、、出過ぎた真似をして済みません。」



私とレインはセバスと使用人達に連れられて屋敷内に入ることになった、私は悔しい、、何も出来ないの、、このままじゃお母様達が死んじゃうよ、、、誰か助けてよ。



バーンと激しく物がぶつかる音がした。音の方に振り向けば、私達が屋敷内に入る前に魔法障壁にヒビが入っている。



「何なのよ、たった一発よ、一発でヒビがはいる、、なんて、、、みんな防御魔法準備よ、、魔力が尽きるまで頑張るわよ」



「「「「はい」」」」



みんなが一斉に返事した、次の瞬間



パリーン!!

ドゴォーーン!!



激しい音と共に魔法障壁が破壊されていた。そして、無惨にも屋敷の東側が半壊している。



「みんな急いでウィンドシールド!!」「アースシールド」「ウォーターシールド」「フレイムシールド」「ライトシールド」「ダークネスシールド」「マジックシールド」



みんなが其々の属性防御魔法を範囲展開していく



「みんなすごいわね、虹色よ、虹色のシールドになってるレインあれなら大丈夫よね。」



「ああ」



そう思ったのも束の間、キングプラントが自身のツルを横に薙ぎ払った



パリーーン!



「「「キャー」」」」「「ウワー」」



ドゴォーン!!


みんなの悲鳴と共に破壊音が鳴り響き砂煙が舞い上がった



「お、お母様ぁぁ!!」



 ーーーーーーーギルドプレートーーーーーーー

 ギルドランク G

 名前 リオン・ガーディン  

 年齢  14歳  男性 


 戦闘能力 122【244】


 《スキル・魔法》

 ・暗黒魔法:極 ・神聖魔法:中

 ・四大属性魔法:中

 ・無魔法:下 ・光魔法:下 ・闇魔法:下

 ・合成魔法

 ・並行魔法

 ・武神:中 ・二刀流 ・忍 ・超人

 ・料理 ・身体魔強化 ・毒耐性:上

 ・収納 ・鑑定:下

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ