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ー リオンある日の冒険者活動 ー
《無自覚者お節介リオンはフラグを立てる・その5ー1》
ーーもくもく。
ホリホリ、ポイッ!!
ーーもくもく。
ホリホリ、ポイッ!!
「やっぱり落ち着くなぁ、、、、薬草採集!!。」
ーもくもく。もくもく。
ホリホリ、ポイッ!!ホリホリ、ポイッ!!
僕はここ最近の溜まりに溜まった鬱憤を辺り一面に生い茂る、青々とした薬草にぶつけている。といってもその手つきは慣れたもので葉を傷つけることなく、丁寧に土を少し残し根っ子まで綺麗に採集している。リオンは基本を忠実に採集した薬草を収納スキルへ入れて行く。
ーもくもく。もくもく。
ホリホリ、ポイッ!!ホリホリ、ポイッ!!
もくもくと採集するリオンの姿は誰も近寄らせる雰囲気ではない。他の冒険者を近寄らせない近寄るなオーラが漂っていた。
そのリオンはと言うと前世ボッチだった為、近寄るなオーラは無意識に発動していた。
「それにしてもマインさんが喜んでくれてよかった。本当は形の残らないお菓子がいいかと思ったけど、最近疲れているみたいだったからね。やっぱりペンダントの贈り物が功を奏したのかな。」
そう、リオンは以前から約束していた贈り物を数日前にマインにしていたのだ。小さく可愛い小鳥のペンダント。目の部分が薄い緑の魔石になっていて、リフレッシュと疲労回復の魔方陣をイロハに刻んで貰ったのだ。
「リフレッシュ効くといいな。」
感情を安定させる効果があるリフレッシュ。ちょっとした問題は許して貰おうというリオンの打算的な行動だ。
ーーだが、しかし、後々このペンダントを女性に贈ったという軽はずみな行動をユイ達が知ることとなり冷や汗を流す事になるのだが今のリオンに知る由もない。ーー
◇
マインはリオンのギルドデータを眺めながら口元に笑みを浮かべていた。そのマインの右手には可愛らしいペンダントを優しく触れている。
ーーうふふ、リオンに新しい二つ名がついてるわ。
心の中では既にリオンに敬称はない。他の冒険者達がリオンと親しく呼んでいるのに自分は敬称をつけているのが負けた気がして悔しく感じたからだ。
「ねぇマイン。リオンさんに可愛いペンダント貰ったんだってね。ねぇねぇ私も欲しい。私と専属代わってくれないかしら?」
慌ててマインはニヤケていた口元をキリッと正し表情を改め平静を装うと、視線を同僚に移し言葉を返した。
「リオンさんはまだまだ、基本がなっていないEランク冒険者ですから、上級冒険者専属を多く受け持つナーシャには無理ですよ。私は専属がリオンさんだけです。私が基本を忠実にゆっくり教えます。」
この声をかけてきた同僚はナーシャと言う。マインとは同期になる。ギルドではちょとしたアイドル的存在だ。
ぱっちりとした瞳で可愛らしくサラッと流れるような青髪、それでいて出るところはしっかりと出ている。愛想よく冒険者達からの人気もすごい。当然ギルドからの評価も高いのだ。
受付窓口をナーシャが開ければ長者の列だが専属冒険者も多く、直ぐに専属窓口に移動してしまう。運良くナーシャに受付してもらった下級冒険者は終日だらしなく鼻の下が伸びている。
マインはというと基本無愛想で事務的なのだ。その為受付窓口もぽつぽつ。だから当時リオンも直ぐに対応してもらえた。
「そう、基本を忠実にね。ふーん、まあいいわ。でもいい人見つけたわよねマインは。将来有望そうなリオンさん。私、リオンさんならいつでも代わってあげるわよ。」
ナーシャがウインクしてにこりと笑みを浮かべるが、ナーシャのその目は真剣そのものだ。それをマインは表情を崩すことなく抑揚のない声で受け流すように返した。
「ナーシャありがとう、それは大丈夫だから。ナーシャは自分の専属に注力して。」
「、、、っ!?」
「ナーシャさん、ガスさんです。専属窓口お願いしまーす。」
ナーシャはマインを一瞬睨み付けだが、直ぐに表情を改め頬笑みを浮かべると返事をして専属窓口へと離れていった。
ーーはぁ。
再びペンダントに軽く触れ気が滅入るのを抑えていると、気持ちが少し楽になった気がした。ふと、ギルドの入口からリオンが来るのが見えた。
ーーあっ。リオン、いつみても眼福だ。
「マインさん、薬草採集終わりました。」
「リオンさんお疲れ様、納品カウンターに行きましょう。私も一緒に行くわ。」
「はい、マインさんいつもありがとうございます。」
リオンが納品カウンターに移動し採集した薬草を並べていく。
すると周りの冒険者達の間ではぼそぼそと囁き声であるが熱い議論が繰り広げられていた。当然リオンには遠くて聞こえていない。
通常は薬草採集は午前中、早目に取りかかる。その方が鮮度よく買取り価格も高い。だが、リオンは学園が終ってから、活動している。どちらかと言うと夕方に近い、それなのにリオンが採集する薬草は全て瑞々しく、鮮度がいい。
冒険者達皆それが不思議で成らない。
「すげー流石〈道具屋のパシリ〉だぜ。!!」
「ああ、見事な採集技術だな。どうしたら、ああも見事に採集出来るんだ!!」
リオンは二つ名〈道具屋のパシリ〉と呼ばれる所以を遺憾なく発揮し、冒険者達にその名を知らしめていた。
「いや、馬鹿、あれはもう王だ。いや、あの容姿は王子か!!、、そう王子は採集中、誰も側に寄せ付けねぇんだぜ!!」
「ああ、もう、あいつは孤高の王子だな。」
「おいおい、知らねぇのか、あいつはもう〈ボッチ王子〉って言われてるんだぞ。既にファンもいるとか、いないとか、、、。」
「ボッチ王子、、。」
「おいおい、お前、顔赤いが大丈夫か?」
何の因果だろうか、残念な事にリオンは前世のあだ名が今世では二つ名としてクラスチェンジした。
そしてマインがニヤケていたのも、この二つ名〈ボッチ王子〉にある。少し女性関係で危ない時もあったが、ボッチ=一人。つまり今は周りに変な虫がついていない事が証明されたからだ。マインは嬉しくてたまらない。
だが、この、二つ名が逆に超美形なのにボッチ=一人=遊んでない=誠実。とリオンの好感度はうなぎ登り。虎視眈々と誰それから狙われていく事になる。
「はい、流石リオンさんだわ、薬草は全て1等級ですよ。」
「よかった。僕はマインさんに指導して頂いた通りにしています。これもマインさんのお陰ですね。」
リオンの笑顔にマインが顔を真っ赤にして俯いた。
ーーマインさん、体調が悪いのだろうか?、
大丈夫か、と声を掛けようかと思っていると、別の受付嬢がかけよって来きた。その受付嬢は手に持ったいた紙をマインに手渡した。
「はい、マインさん、これ昼間にリオンさんに伝えて欲しいと、伝言を預かりました。これはその伝言をメモしたものです。皮の帽子を被った男の子?でしたよ。」
マインは受け取った紙を確認すると、一瞬瞼の奥に哀愁の色が見えた気がしたが、気のせいだろう、直ぐにその紙を見せてくれた。
「はい、リオンさんセシルさんから伝言です。前に心配されていた男の子の友達ですよね?」
「はい、セシルは僕の友達です。えっと、、それで。」
その紙には明日朝から一緒に簡単な依頼を受けてダンジョンに行こうと誘いの伝言だった。都合が悪ければ受付に伝えてくれればいい、とメモしてあった。
ーー明日は休みだ。前の依頼で一緒に行ってから1ヶ月位経つのか、、始めて友達とダンジョン。嬉しい。これは当然行きだな。
溢れる笑みを我慢していると、ふと、視線を感じ顔を上げるとマインさんとこちらを見ていた。
「リオンさん、明日はダンジョンに行きますか?」
「はい、それで、よければお勧めの依頼があったら明日、教えた下さい。」
「分かりました。任せて下さい。」
ーー少しでもいい依頼を受けて行けば生活費に役立だろうしね。
◇
翌日の早朝、僕はギルドに向かうと、ギルド前の入口に少年が立っていた。始めてダンジョンに行った時と同じ格好をした少年。顔は中性っぽく相変わらずかわいい感じの少年、身なりはボロの服を着てショートソードを腰に下げていた。頭に皮の帽子を被っている。
ーーうん、セシルだ。
「おはようセシル!!」
嬉しくて笑みが溢れる、右手を振ってセシルに近づいて行くと、セシルも僕に気づき、、、、顔を真っ赤にした。
ーーあれ、待たせ過ぎた?
ーーーーーーーギルドプレートーーーーーーーー
ギルドランク E 王立学園1年生
名前 リオン・ガーディン 年齢 15歳 男性
魔装武器:暗黒の剣・暗黒の盾
戦闘能力 672
身体魔強化時【1344】
身体魔強化+無属性身体強化時《2016》
暗黒魔装+1000《3016》
《スキル・魔法》
・暗黒魔法:極 ・魔神:上
・同属魔法発動 ・合成魔法
・並行魔法 ・武神:中
・二刀流 ・忍
・超人 ・身体魔強化
・毒耐性:極 ・大地の加護
・料理 ・収納
・鑑定:下
二つ名:道具屋のパシリ :ボッチ王子new
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