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 コボルトキングのゾンビが威嚇ともとれる雄叫びが引き金となり、湧き出た数十体のコボルトゾンビ、コボルトゾンビリーダーが一斉に襲いかかってきた。



 直ぐに陣形を整えてたユーナ姫達が迎え撃つ。ユーナ姫は白銀の長剣と白銀の小剣の二刀流だ。更に魔手スキルを使い魔力で出来た2本の手に小盾を持ち両肩に構えた。



 ローランは金の剣と金の盾をはっきり言ってライトの魔法が反射してチカチカと目に悪い。ラッシェルは2本のサーベルを持ち、スチルはキレイな飾りの付いた直槍を、キースは得意の弓が使えずショートソードを構えてユーナ姫を中心とした2・1・2陣形をとった。



ーーん、僕だけ蚊帳の外だな



「あの、僕は?」



「うるさいお前が入ると陣形が乱れる、、適当に逃げ回って、俺達を回復させろ!!」



ーーなんと無茶苦茶な指示だ



「ローラン、そいつの事はいいから前を見ろ、来るぞ!!」



コボルトゾンビは動きは遅いが鋭い爪で襲って来た。



ーーあれ?そもそもコボルトを倒すと魔石になるのに、、どうしてゾンビがいるのだろうか、別の魔物って事になるのか、、。



今はどうでも良いことを考えるリオンである。リオンは暁騎士団との連携に期待していない。



「ユーナ姫、気を付けて、コイツらただのコボルトと違いタフです、1体1体きっちり止めを差さないとすごい勢いで再生していきます。」



「そうみたいね、、、もうっ!!厄介だわ!!」



ーーあれ!?



コボルトゾンビがこちらにのそのそ向かってくる。



ーーああ、コボルトゾンビの数が多いからこっちに数体流れて来たんだな。、、幸い暁騎士団は自分達の事で精一杯、こっちのコボルトゾンビにまで気が回っていない、今の内に得意の掌底でも、、、、、。いや、まて。



視線を暁騎士団から再びコボルトゾンビに戻す、だいぶ側まで来ていた、うん。臭いけどよく見える。。。コボルトゾンビは口の閉まりが悪いらしくヨダレが垂れ流しで、糸を引いてるし、、そして腐っている、そう腐っているのだ。



ーー掌底は、、止めとこう。



構えた右手引っ込めた。



ーーさて、どうするか!?臭いのはちょっとね。



仕方なく暗黒の剣を魔装しようと思ったが、ふいに肩に担いだ5つの荷物に気が付いた。



ーーおっ、。



直ぐに荷物の中を確認すると、石がたっぷり入っている。思わず笑みが溢れる。



ーーふふふ、、これだな。



僕は石の入った荷物袋を1つだけ右手に持ち直すとコボルトゾンビの顔面に叩きつけた。



「それっ!!」ブンッ!!と勢いよく荷物がコボルトゾンビぶつかった。



ブシュ!!っと腐ったミカンが潰れた様な音と共にコボルトゾンビの頭が潰れた。



「うわぁぁっ。」



思わずしかめっ面に、残ったコボルトゾンビの体は粒子にならなかった。その場に倒れながら溶けるようにドロドロの液体になっていく、そしてコボルトゾンビの何かしらが荷物袋に付着している、、、。



ツーン!!より強烈な腐臭が漂った。



ーーくさっ!!す、素手で倒さなくてよかった。



 暁騎士団はちゃんと仕事してるのか?その後も此方にのしのし向かってくる。コボルトゾンビに荷物袋をハンマーみたいに振り回し倒したりもした。なかなか使える。皆に悪いので荷物袋も均等に使っていく。



僕の周りにはコボルトゾンビの溶けた後の液体がどんどん広がっていく。するとコボルトゾンビがこっちに来なくなった。



 一方、暁騎士団は囲まれ2・1・2だった陣形は円陣となり、後ろを取られないようにしていた。幸いなことにコボルトキングのゾンビはコボルトゾンビに遮られ暁騎士団までたどり着けていない。そのお陰もありコボルトゾンビの数を確実に減らしていた、そして残り10数体にまでなっていた。



「キース気を付けて、疲れでコボルトゾンビを殺りきれていないわよ、、ほら左よ危ない!!」



肩で息をしているキースは、もともと得意な武器は弓だ、どうしても他のメンバーに比べ攻撃力が劣る。



「はあ、はあ、はっ、、、ぐっ!!」



慌てて左に振り返るも間に合わず、キースがコボルトゾンビリーダーの鋭い爪で左肩から切られた、更にコボルトゾンビリーダーの追撃がくる。



「くっ、こんな所で、、殺られるかよ」



キースは片足をつきつつも身体を反らせ追撃を辛うじて避けた。



「テメー!!よくもキースを!!」



ズサッ!!スチルの直槍がコボルトゾンビリーダーの頭を貫いた。



「キース大丈夫!?そこの貴方、ボーッと突っ立ってないで早く、キースに回復魔法しなさい!!」



「お、おいっ、スチル円陣が乱れたぞ戻れ、コボルトゾンビが、、、グハッ!!」



 今度はスチルの近くにいたコボルトゾンビリーダーが前に、ラッシェルは乱れた陣形に入ってきたコボルトゾンビリーダーの爪に左後ろの脇腹を刺された。



「ラッシェルゥ!!このぉぉ、離れなさい!!魔手:旋風剣!!」



 ユーナ姫は剣に持ち替えた魔手を陣形の外側まで伸ばし振り回した、、魔力の腕の部分は当たっても平気なようだが、威力が足りない。それは疲れが出た所為なのか、ただ、囲んでいた相手を一時的に退かす事は出来た。



「ユーナ姫、魔手を使いすぎです、疲れも見えますし魔力枯渇したら尚更動けなくなりますよ。」



「わっ、分かってるわよ、そんなこと言ったって、、」



危険ですとローランが言うがユーナ姫のお陰でコボルトゾンビと暁騎士団に少し距離が出来ている。



ーー丁度いいや。



僕は直ぐに回復魔法をかけた。



範囲回復魔法(ヒールリング)



白く輝く光が暁騎士団の中心から円状に広がり、暁騎士団を包み込んだ、ユーナ姫とローランのかすり傷からキースとスチルの深い傷がみるみる治っていく。



「早くやれよ、勿体つけやがって、危うく殺られかけたじゃねぇか!!」



「ちょっとローランそんな言い方ないでしょ、貴方ありがとう助かったわ。」



「おい、お前神聖魔法使いなら、このゾンビどもに攻撃魔法の1つや2つ、、、!?」



「ん!?」



「なんだ!!」


グオオオオォォ!!



コボルトキングのゾンビが雄叫びと共に苦しんでいるように見える、体中にボコボコ肉の塊が浮き上がっていく。



ーー腐敗が進んだのか?



「何、何なのよ!!」



「分かりません、急に苦しみだしました、、それに囲んでいたコボルトゾンビとコボルトゾンビリーダーが離れて行きます。」



「違うぞキース、コボルトキングゾンビの所に集まっているみたいだ。」



「おいおい、コボルトキングゾンビの野郎、、どうなってやがる、、。」



二足歩行だったコボルトキングゾンビが四足歩行の肉塊の犬に。体毛は無くどす黒く見え脈打つ肉が見えている。



ーー先程の雄叫びは、、コボルトゾンビとコボルトゾンビリーダーを呼び戻す為?



 更に脈打つ肉が広がり集まっていたコボルトゾンビとコボルトゾンビリーダーを体内に吸収していく。

吸収する毎に大きくなり3メートルだった体長は6メートル程になっていた。



「ばっ、バケモノだ。」



「ユーナ姫、見たこともない異形のバケモノです。情報が無いまま戦うのは危険です。ここは一旦引きましょう。」



グアアァァァ!!



更にコボルトキングゾンビらしいものが雄叫びをあけた。



「くっそうしたいんだけど、、、ダメね今の雄叫びで足がすくんで動けないのよ。」



ユーナ姫は足をガクガクとさせやっと踏ん張っている。他の騎士団も同じ状態だ。



「ユーナ様!!」



暁騎士団は必死にユーナ姫の元に歩み寄った。



グオオアアアアァァァ!!



どうやらコボルトキングゾンビらしいものは完全に変体し終ったらしい、先程と比べるものにならない強力な咆哮で威圧してきた。



「キャー」

「ぐぐ」

「ぐあ」

「うぅ」

「うわ」



暁騎士団が皆は立っていることが出来なくなり片足をついていた。



「なっ、なんて、、威圧なんだ、体が、、動かねぇ!!」



「ろ、ローラン、、不味いわ、ど、どう、しま、、しょう。」



ーー不味いぞ、かなり強力になったみたいだ。身体魔強化と無属性身体強化しているが、それでも忍スキルが警告してくる、今、アイツの攻撃を暁騎士団が、まともに受けたら間違いなく即死だろう。、、!?



「皆逃げろ!!攻撃がくるぞ!!」



異形型コボルトキングが吸収が終わり一瞬で暁騎士団の間合いに入り、爪を立てた前足を横に凪ぎ払った。



ーー早い、ダメだ、皆体が反応が出来ていない。



ユーナ姫とローランは辛うじて盾を前に突きだしているが焼け石に水だろう。たまたま盾が前にあった感じなのだ。



ーー間に合え!!



神聖魔法(セイントシールド)



僕は出来るだけ分厚い聖なる魔法の盾を暁騎士団にぎりぎり張ったが、魔力を込めきれてない、威力が足りなかった。



パリン!!っと僕が暁騎士団に張ったシールドは砕け散った。シールドでいくらはコボルトキングゾンビ変体の凪ぎ払いの威力を殺したが完全ではなかった。



ドカッ!!っと鈍い音のあと暁騎士団が洞窟の壁に叩きつけられた。



「「「「ガハッ!!」」」」



暁騎士団はコボルトキングゾンビ変体の前足をまともに受けたが、鋭い爪にはあたらなかったみたいだ。運が良いらしい。皆に切り傷は見えない。



ーー大丈夫なのか?僕は素早く皆の所に駆け寄った。



「みんな!!」



ーーよかった。



頭を強く叩きつけられ気を失っているが息はあるみたいだ、だが重体にはかわりない。手や足が違う方向に向いている早く回復魔法をしないとな、、。



ーーんっ?



ふと、コボルトキングゾンビ変体と目が合う、何処か勝ち誇った目をしている。が相変わらずヨダレは垂れ流しで締まりがない。



「いい気になるなよ、お前はここで討たせて貰うからな、、、魔装ダーク・ブレイブ!!」



 魔装してしまえば特に苦戦することなかった。不完全だったらしく魔装した僕には動きも思ったより遅かった。

 だが再生能力は高かった。仕方なく再生出来ないくらい細かく切り刻み続けた結果、最後には身体を保てなくなり溶けてしまった。



ーーやっと溶けたか。



「ふぅ、、、まだまだ慣れないな、力に振り回されてしまう。たまには練習しないとな。」



ーーんっ、あれは!?



 コボルトキングゾンビ変体の溶けた液体の中に真っ黒い水晶みたいなのが落ちている。鑑定:下を使ってみたが〈進化の魔素玉〉と表示された。

ショウヤなら何か知ってるかもと思い収納した。



 暁騎士団を回復した僕は、その後の状況説明を求められたが、逃げ回っていたら勝手に溶けて自滅したと言うことにしたら、暁騎士団は納得していた。

 僕が戦えるはずないと思われているからちょうど良かった。



その後、2日間馬車に揺られたが無事学園に帰ることが出来た。



 衛生隊とは帰りも一緒で、半強制だったが道中楽しく過ごせた。会話も弾みついつい休みの日は冒険者をしている事も話していた、その時に皆がコクりと頷いていたが、鈍感リオンが気づくことはなかった。



 暁騎士団の赤揮騎士団の昇格は保留になっている。まだまだ実績が足りないらしい、もうこれっきりにしてほしい。

だが神聖魔法使いの必要性を少しは感じたのか、暁騎士団から別れ際にキチンと挨拶された「また、何かあったら誘ってやるありがたく思え」と、丁重にお断りしたい。


荷物袋は異臭を放っていたけどちゃんと馬車の中に戻してあげた、ちゃんと持ち主に返してあげないとね。信用問題だしね。



 因みにリーナは元々騎士の家系で剣の扱いに優れていた。右手が治り自信を取り戻したリーナは衛生隊5人と冒険者としても活動していく。そして〈リーオン〉と言うパーティー名で活躍していくのだがリオンはまだ知らない。



《暁騎士団構成》


◆ユーナ・ママール姫【戦闘能力200】

剣術:上 盾術:中 二刀流 光魔法:中

〈王族固有スキル〉 魔手(魔力の腕が2本発現する)


◆ローラン・マーキス【戦闘能力225】

剣術:上 槍術:中 盾術:中 チャージ 火魔法:中


◆ラッシェル・ゴードン【戦闘能力210】

剣術:上 槍術:中 二刀流 剛力 水魔法:中


◆スチル・ヒルター【戦闘能力208】

剣術:中 槍術:上 鉄壁 土魔法:中


◆キース・ガネット【戦闘能力201】

弓術:上 剣術:下 槍術:下 集中 風魔法:中


ーーーーーーーギルドプレートーーーーーーー

  ギルドランク E 王立学園1年生

 名前 リオン・ガーディン 

 年齢 15歳 男性 


    戦闘能力 672

   身体魔強化時【1344】

 身体魔強化+無属性身体強化時《2016》

    暗黒魔装+1000《3016》


  《スキル・魔法》

  隠蔽・暗黒魔法:極 

  隠蔽・魔神:上

  隠蔽・同属魔法発動  

  隠蔽・合成魔法    

  隠蔽・並行魔法

  隠蔽・武神:中   

  隠蔽・二刀流 

  隠蔽・忍     

  隠蔽・超人

  隠蔽・身体魔強化 

  隠蔽・毒耐性:上

  隠蔽・大地の加護

    ・神聖魔法(魔神)

    ・料理

    ・収納 

    ・鑑定:下

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