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 僕はダンジョンを出ると魔石を換金した。換金所は冒険者ギルドの隣にある。まだ、昼過ぎの為か、換金所には人が少なく、僕の番が直ぐに来るた。



「カントさん、換金お願いします。」



いつもお世話になってる換金所の中年男性に声をかける。



「ああ、シオンか、今日の客は割と気前がいいな、、、どれどれ、えっとゴブリンの魔石1つ500ダネ3つあるから1500ダネ、尖った骨が50、無骨なメイスが70ダネだ、合わせて1620ダネだな」



「今日は運が良かったんだ。ありがとうカントさん」



 僕は両手でお金を受け取った。これで食事にありつける、昨日から水しか飲んでないもうお腹がペコペコだ。



 カントさんには荷物持ちの報酬と言うことで換金してもらった。今の僕が退治したと言ったら間違いなく疑われてしまう、そもそも自分で冒険者活動出来るなら荷物持ちなんてしないからね。



でも、それも今日までだ!!早速、冒険者登録だ。僕は冒険者になる!!



ギュルルル



僕のお腹が空腹を訴えてくる。



うーん食べてからでもいいよね



 冒険者ギルドには入って真正面に依頼掲示板やギルド受付カウンターがある、そして入口のすぐ右手に冒険者食事処があるのだ。冒険者食事処は味もよく値段も手頃だ、そのお陰でいつも冒険者達で活気が溢れている。今までは縁がなかったけどね。



でも今日からは違う、僕もその仲間になってやる。



 冒険者ギルドに入り冒険者食事処を見ると昼過ぎでもありテーブルの席は空いていない。



冒険者達で一杯だ、これじゃ食べられないか、それにしても良い匂いだな



止まっていたお腹が再び鳴り出した



ぐぅぅぅ



美味しそうに食べている冒険者達といい匂いに刺激される



僕は溢れでる生唾を呑み込んだ



諦めきれない僕は、暫くの間空席がないか、何処か席が空かないか、何度も見渡したが、どうも叶いそうになかった。



仕方ないか



僕は重い足取りで冒険者登録を先にする為に、僕は真正面のギルドカウンターに向かった。



 ギルドの受付は3つある、近づいて分かったが受付嬢はみんな10代後半の美人だった。僕は今まで遠くから眺める事しか出来なかった。



おっ!



あそこのカウンターが空いたぞ、並ばずに手続きできるぞ。



「すみません、冒険者登録したいのですが」



僕は恐る恐る声をかけた、始めてのことで緊張する。



 ショートカットで薄い緑色の髪をした美少女だ、何だろう何処か冷たい印象で、睨まれてるように感じる。何か悪いことしたかな?



「ギルド登録手数料が1000ダネになりますが、よろしいですか?」



「は、はいお願いします」



うわ、高い!!手数料取られるとは思わなかった。お昼ご飯食べたらもう残りがないや。



「では、こちら用紙に名前と年齢と自分が出来る事を書いて、剣とか、魔法とかよ」



受付嬢はそう言って記入用紙をカウンターに出した。



あっ、そういえば僕は文字は書けるのか、シオンの記憶では文字は習ってない、光一では書けるが日本語だ、ここではどうなるんだ。



「は、はい」



恐る恐る記入用紙を受け取り内容をみた。よかった読めるぞ、これは日本語なのか?取り合えずこれなら書けそうだ。



「代筆が必要ですか?」



僕があまりにも記入用紙を見ているものだから受付嬢が気を使ったみたいだ。



「あっ、すみません大丈夫です」



「そう、ですか?」



受付嬢が首を傾げてる。



「大丈夫です、大丈夫です」



危ない、危ない、変な人って思われたかな。



 えっと、名前は、シオンと、14歳でと、んっ出来ること?、、、どうしようか魔法って、暗黒魔法は、、、不味いんじゃないか、聞いたことない属性だし。迂闊なことは聞けないし。荷物持ちなんて書きたくないよ。



「あの、出来ることが今はないんです、これから頑張ります、それじゃ駄目ですか?」



「大丈夫ですよ、シオンさんは14歳ね、年齢は問題ないわ、出来ることはパーティーに入りたい時にプラスになるだけだから、出来る事がなくても登録は出来るわよ。ただ今のままでは何処のパーティーにも入れないかもしれないわね、それでもいいの?」



「そうですか。でも仕方ないです。」



それなら、別に構わない、1人の時間が長すぎたのか僕にはまだパーティー組んだりするにはハードルが高すぎる。



「では、シオンさんの冒険者カード作ります、こちらのカードに魔力を込めて下さい。名前、年齢、性別、戦闘能力、魔法、スキル、が表示されます。カードは初めに魔力を込めた人が登録者になるの、後から他の人が魔力を込めても上書きされる事はありませんので安心してください。これは何百年も前に栄えていたクイール皇国の技術で、今も魔道具に当時の技術が活かされているのよ」



そして受付嬢は黒いプレートをカウンターの上に出した



「え、クイール皇国!?」



「ご存知ですか?」



受付嬢の眉毛がピクリと上がった気がした。



「あ、いえ知りません、勘違いしたみたいです」



そうか、以前召喚されてから数百年経っているのか、、、残念だ。もしかしたらクラスメイトに会えるのではと言う淡い希望は消えてしまった。でも召喚された世界で転生したから、光一の魔法やスキルが使えたんだね。



「ありがとうございます」



僕はそう言ってプレートを受け取り魔力を込めた。



ふん!!こんな感じかな?



黒いプレートに徐々に文字が浮かんでくる。





 ーーーーーーーギルドプレートーーーーーーー

  ギルドランク G

  名前 シオン  年齢  14歳  男性 

  

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




 おっ、これがステータスか、あれ、名前、年齢性別しかないよ。



「シオンさんどうですか?出来ましたか?」



僕の顔に落胆が見られたらしく受付嬢が尋ねてきた。



「はい、でも、僕の名前、年齢、性別しか表示されてないんです、これでいいですか?」



「はい、大丈夫ですよ」



僕はギルドプレートを手渡した。受付嬢はそれを黒い箱に入れ登録すると、先程のプレートを手渡された。




「はい、これで登録終わりです。後は倒した魔物はギルドでも管理してますけど、その他の能力は任意で表示出来ます、プレートを持って念じてください」



「はい」



僕はもう一度プレートを持って念じてみた



 ーーーーーーーギルドプレートーーーーーーー

  ギルドランク G

  名前 シオン  年齢  14歳  男性 


       戦闘能力 20 


 《スキル・魔法》

 ・身体魔強化 ・再生 ・暗黒魔法:極 

 ・毒耐性:上

  

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



うっ、弱いの?暗黒魔法極?そういえば基準が分からないや



「スキルを見れたみたいですね。スキルは努力と根性で覚える事が出来ます、当然個人差はありますが、努力すればスキルの能力が高くなるそうですよ。魔法は自分の属性を知ることで、魔法を使えるようになるそうです、、、教会に寄付すれば属性は直ぐに調べてくれますよ、、後は自分次第です基本魔法は誰でも使えますが、適性がないと発動する為の魔力が伸びません、こればかりはどうしようもないのですけどね」



そうだったのか、今までは努力が足りなかったのか、でも、暗黒魔法は属性知る前に使えるようになっちゃた。



「、、ですが能力等はよっぽど信頼できる人以外には見せない方がいいです。危ないですからね。最後にそのプレートはシオンさんの冒険者証の他、身元証明にもなりますの無くさないで下さい」



「身元証明ですか?」



「はい、魔力はみんな必ずありますので身元証明に使えるのよ、だから冒険者じゃない人もよく登録に来るのよ」



「そうだったんですか」



へえ、市役所の住民登録みたいなものか



「ですが、気を付けてください、紛失すると再発行は100万ダネ必要になります、その上紛失したカードを悪用されても自己責任になります」



「た、高い、それに悪用って」



「悪用する人は、、そうね。盗賊や、犯罪を犯している人はギルドカードが真っ赤に変色するの、当然捕まれば牢屋が待ってるわ、でも必ず何処の町でも入る時に証明を提出しないと行けないの。そこで他人の証明を使うのよ町に入る為にね、、、まあ、今のは1つの事例よ、他にもまだまだ沢山あるわ、、それでどうしてもこの値段になります」



そうか、僕は町から出たことなかったから必要なかったんだ



 「それとギルドランクは自分にあった依頼を達成することでランクは上がります。だだしDランクから上は試験もありますよ、、他には、、、そうね、パーティーを組むと人によっては上のランクの依頼を受けれたりします、当然ランクが上がると報酬も上がりますよ、でも、実力以上の事をしようとすると命を落としますので気をつけて下さいね」



「そうなんですか、ありがとうございます、あの、今後の参考までにゴブリンを倒せる戦闘能力っていくらあればいいんですか?」



「そうですね、ゴブリンの戦闘能力は15です。でも集団だったりするとその限りではありませんよ、他に参考としては王国騎士は100前後、近衛騎士で200前後です、これは王国が騎士団員を募集した時の採用基準だったわね。これくらい目標にして頑張ってくださいね」



ふ~ん、そっか、、、でもさっきのゴブリン3体を瞬殺出来たのはマグレだったのかな?



「以上で説明は終わりです、何か質問はありますか?」



「大丈夫です、ありがとうございます」



「早速何か依頼を受けて行きますか?受けるなら、初めは薬草集めがオススメです。後は、アプルの実を集める事ですかね。でも町の近くにあるゴブの森まで行きますから、当然ゴブリンは出現しますからそれなりに危険はありますけどね」



「へぇ、アプルの実か」



「今人気の果物で赤色の実です、甘酸っぱくて美味しいですよ」



 夕方は薬草を集めアプルの実を食べれば今日はお金を使わずになんとかやり過ごせそうだな。



「そうですね初めは薬草集めとアプルの実を集める依頼ですかね。ありがとうございます、ちょっとだけ掲示板を見てきます」



「シオンさん!!依頼には野外依頼とダンジョン

依頼があります。間違いのないよう気をつけて下さいね」



 僕は掲示板の薬草収集とアプルの実の収集ついでにゴブリンの討伐5体の依頼を手に取るのだった。





 ーーーーーーーギルドプレートーーーーーーー

  ギルドランク G

  名前 シオン  年齢  14歳  男性 


   戦闘能力 20【身体魔強化時40】 


 《スキル・魔法》

 ・身体魔強化 ・再生 ・暗黒魔法:極 

 ・毒耐性:上

  

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






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