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ちょいと偉人に会ってくる  作者: 鈴木ヒロオ
夏の末、秋のきっかけ

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227/231

ちょいと現代語訳

 「今日の良き日は、

人の始まり、家の始まり、家門の始まり、氏の始まりである。

これを大切にする人は、

月が西から東へ満ちていくように、

日が東から西へと渡り、明るさを増すように、

徳が備わり、人にも愛されるようになる。


 そもそも、地獄と仏はどこにあるのかと問えば、

ある経には『地の下にある』と説かれ、

またある経には『西方にある』と説かれる。

しかし、よくよく尋ねてみれば、

それらは我ら五尺の身の内にあると知れる。

さもありなんと思われることである。


 心の内に父を侮り、母を疎かにする人は、

その心こそが地獄である。

譬えば、蓮の種の中にすでに花と実が見えるように、

仏もまた、我らの心の内におわす。

石を打てば火が生まれ、珠を磨けば光が現れるようなものだ。


 凡夫である我らは、睫毛の近さも虚空の遠さも、

そもそも見えていない。

心の内に仏がおられたことを、ただ知らずにいたのである。


 ただし、疑いもあろう。

我らは父母の精血より生まれ、

三毒の根であり、婬欲の源である。

どうして仏がおられるはずがあろうか、と。

しかし、打ち返し打ち返し思いめぐらせば、

その理もあるのではないかと思いに至る。


 蓮は清らかな花だが、泥より出でる。

栴檀は香ばしいが、大地より生える。

桜は美しいが、木の内より咲き出る。

楊貴妃は見目麗しいが、下女の腹から生まれた。

月は山より出でて山を照らす。


 禍は口より出て身を破り、

幸いは心より出て身を飾る。


 今、家の始まりに神仏を供養しようとするその御心は、

木より花が咲き、池より蓮がほころび、

雪山の栴檀が香りを放ち、

月が初めて昇るようなものである。


 もし家の始まりに神仏を疎かにすれば、

禍を千里の外から呼び寄せることになる。

これに照らして思えば、

神仏を信ずる人は、幸いを万里の外からも集めるであろう。


 影が体より生ずるように、

神仏を敵とする家には、影のように禍が寄る。

神仏を信ずる人は、栴檀が香りを備えるように、

自然と善きものが身に備わる。


 まだ申し上げることはあるが、今日はこのあたりで。」



原典と照らし合わせていただくと、いっそう興味深く読めるかと思います。

なお、この訳文は物語上の改変を踏まえて訳したもので、原典そのままの訳ではございません。

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