第98話 今度こそ正真正銘のデートなんだよ
学校が終わり俺たちはデートをすることになった。
「あっ…お姉ちゃんのお昼作ってきてないよ」
「姉ちゃんも一応成人だし大丈夫だろ」
そして俺たちは無難に映画を見にいく。
映画鑑賞中俺たちはずっと手をつないでいた。
「いや~まさかあそこで『私の歌を聴けぇ!!』なんてセリフがでてくるなんてね~」
あれ?そんな映画でしたっけ?
「か…香織?映画ちゃんと見てた?」
「うっ…実は…悟君と手つないでて…映画に集中できなくて…」
嬉しいこと言ってくれるな。
「そっか。じゃあなんか食べに行くか?」
「うん!」
俺たちは近くにあったファミレスに入る。
大学生くらいの人が来てにこにこする。
「あ…あの?」
「カップルですか?仲いいですね」
まさかそんなこと言われるとは思わなかった。
香織の顔が真っ赤だ。
「席、案内しますね」
そして俺たちは店員さんの後ろを歩いて席に案内される。
「ごっゆくりどうぞ」
店員さんはにこにこしながらメニューをわたしてくる。
「おもしろい店員だったな」
「うん…」
香織はうつむいている。
その顔が真っ赤だ。
「…こ」
「こ?」
「今回はちゃんとしたデートだね」
あれ?俺、香織とデートしたことあったっけ…
「む…その顔はデートしたことあったっけ?って顔だね」
「うっ…」
「ほら東京に行ったときにさ」
「あれデートだったのか!?」
「やっぱり悟君はデートだなんて思ってなかったか」
「だって…ほら!!そんな風に考えられなかったし、そもそも香織が俺のこと好きだなんてわからなかったし」
「やっぱり悟君は鈍感だね」
香織が笑顔で言ってくる。
この笑顔をずっと見ていたいそう思った瞬間だった。
「さて、なにか頼むか…ええっと…俺はドリアにしよう」
「じゃあ私もそれで」
俺は店員を呼ぶ。
「ご注文はお決まりですか?」
またこの人か…
まだにこにこしてるし…
「ええっとドリア二つで」
「ドリア二つですね。二人とも同じのなんて…キャハッ…」
なんだ今のキャハッって…
「お…おもしろい店員だな…」
「そ…そうだね」
苦笑いしかできない…
それから俺たちは他愛のない話をした。
「ドリアでございま~す」
同じ店員さんがにこにこしながら持ってくる。
「仲良くどうぞ~」
「店員さんやけにうれしそうですね」
俺は言ってみる。
すると…
「私が高校生のときにそっくりなんですもの」
そう言って店員さんは去っていった。
「だからにこにこしてたのか」
「やっとわかったね」
なかなかいい店員さんだったのかもしれない。
それから俺たちは晩御飯の買い物をして家に帰った。
「今日は楽しかったね」
「そうだな」
これが俺たちの初(?)デートだった。
ちなみに姉ちゃんは家で「おなかすいたぁ~」と言いながら倒れていた…




