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ワールド・セネカ  作者: FRIDAY
肆 ワールド・セネカ
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48/51

戦端

 ハルカは、強い。それは戦歴の浅い吉野でも見ただけでわかった。


 七式に成り損なった、何者でもない人形。

 しかしそれは、他の誰にも劣る失敗作というわけでは、決してない。

 それをはっきりと悟っても――吉野は、退かない。


「――セネカ」

「ん」


 短い応答。しかし渡される力と信頼は、強く。

 吉野はセネカとともに、前に出る。

 踏み出す。


 ……成程、話に聞いていた通りですね。


 迷いなく前線に飛び出してくる吉野を見て、しかしハルカは驚きを禁じ得ない。雷撃と暴風を叩き込みつつも、感嘆の吐息をもらさずにはいられない。

 ともすれば無防備な人形遣い、それも自衛手段すらまともにもたない吉野が、ほぼ丸腰で人形であるこちらに向かってくるなど、事前に聞いていたハルカですら気が触れたようにしか思われない。けれども、


 ……彼らはこの戦い方で、ここまで戦ってきている!


 『翔光』も『人形狩り』も、決して弱い人形遣いではない。ともに協会でも一級として認識されている人形遣いだ。そのふたりを、吉野は同じ戦い方で退けている。ならば、


 ……容赦は無用ですっ!


 ハルカはあらゆる魔法を、幾重にも重ねてぶち込んでいく。


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