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勝負あり
「……お、終わった?」
閃光に思わず目を覆っていた秋東が見る先、まだ宙にパルスの残る中。着弾の衝撃による粉塵が、徐々に晴れていく。
爆雷の着弾点には、しかし無事な向日とクライトの姿があった。
向日が防ぎ切った、というわけでは全くない。
衝撃波は、まるで向日と狼をあえて避けるかのように、二者の周囲を壊滅させている。
初めから、避けられていたのだ。
「……こんな、ことが」
完全に死を覚悟したであろう向日は、己の生存を信じられないかのような顔のまま立ち上がれずにいる。
その正面。
晴れていく煙の中から、ふたりの姿が浮かび上がってくる。
片や、さらなる魔光を掌に宿すセネカ。
片や、そのセネカの肩に片手を置き、いつの間にやら回収したらしい雷撃の短剣を手に、切っ先を向日へ向ける吉野。
向日とクライトは、動けない。
その完全に制圧した状況の中で、吉野は笑った。
ふっと、ウインクまでつけて。
「勝負あり、だよな」




