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初陣終了
全身全力を込めて、吉野は天使を打撃した。
ヒットの寸前、天使は一瞬で何か魔法を発動したようだったが、吉野には何も現れなかった。拳は確かに、直撃した。
衝撃は天使を抜け、加速した打撃が水蒸気の輪を描き、その向こうの大気をも爆撃する。
轟、と震えた。
天使が、墜ちる。
「――と、セネカ!」
完全に戦闘不能となり、崩れ落ちていく天使を咄嗟に抱き留めるもひとりで支え切れず、吉野はセネカを呼んだ。呼び声にくるっと振り向いたセネカは、こちらは軽々と秋東を抱きかかえながら、
「――『トトスの浮行』」
すぐさま魔法は発動し、天使のみならず吉野も、セネカらもゆっくりと下降を始める。
白熱していた空間が一転、静かになったのを自覚して、ようやく吉野は深く息をついた。
「勝った、んだよな」
まだ呑み込めず、確認するようにセネカを見る。セネカは簡単に頷いた。
それを受けて、はは、と吉野は笑った。
「っはー……疲れたなあ、ほんと」




