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ワールド・セネカ  作者: FRIDAY
弐 天使を従えた少女
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初陣終了

 全身全力を込めて、吉野は天使を打撃した。

 ヒットの寸前、天使は一瞬で何か魔法を発動したようだったが、吉野には何も現れなかった。拳は確かに、直撃した。

 衝撃は天使を抜け、加速した打撃が水蒸気の輪を描き、その向こうの大気をも爆撃する。


 轟、と震えた。

 天使が、墜ちる。


「――と、セネカ!」

 完全に戦闘不能となり、崩れ落ちていく天使を咄嗟に抱き留めるもひとりで支え切れず、吉野はセネカを呼んだ。呼び声にくるっと振り向いたセネカは、こちらは軽々と秋東を抱きかかえながら、


「――『トトスの浮行』」


 すぐさま魔法は発動し、天使のみならず吉野も、セネカらもゆっくりと下降を始める。

 白熱していた空間が一転、静かになったのを自覚して、ようやく吉野は深く息をついた。


「勝った、んだよな」

 まだ呑み込めず、確認するようにセネカを見る。セネカは簡単に頷いた。

 それを受けて、はは、と吉野は笑った。

「っはー……疲れたなあ、ほんと」


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