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#4:名も知らぬ少女は、思いの外近くの存在だった。

モチベーションが無いと書けないっていうことを深く思い知りました。


「えっと、本当にごめんなさい……」


私の体を、初めてをあっさり奪った少女は、なぜか私の前で謝っていた。

さっきとは別の方向性で光を失った瞳に、大粒の涙を浮かべて。

流石にここまでされると怒る気にもなれない。

というか怒るつもりないし。


「いや……それはもう良いんですけど…なんでこんなことしたんですか?」


そこだ、私が一番気になるのは。

そもそも状況としてよく分からない。

私が分かるのは、


・少女が社会ゴミに襲われていた

・私はそれを(八つ当たり込みで)助けた

・そしたら私が少女に襲われた


この三つだ。

……どういうこと?


「えっと…それは見てもらった方が早いかも……」


少女はそういうと、少し目を瞑って、力を込めた。

その瞬間、少女の体に異変が起きる。

まず角が生えた。

黒く、光を発さない鈍い色をした捻れた角。

そして、尻尾。

これまた黒く、単に尻尾とも言えない奇妙な器官。


「なるほど、()()……それも()()だったんですね」

「そうなの…気持ち悪い、よね……」


亜人。

ヒト属に名を連ねる生物の内、「人間」を除いた「天使」、「悪魔」、「獣人」、「妖精」、「死屍」、「竜人」の六つの総称。

淫魔はその中でも悪魔の一つに分類される種族だ。

人間より高い基礎能力と、特徴的な尻尾に角。

そして他の生物には見られない特殊な食料。

それは、「生物が性的興奮を覚えている際に分泌した体液」……「性分泌液」と呼ばれるもの。

これは女性男性問わず、ヒト属の生物でしか栄養は得られない。

肉や野菜などの食料も食べられはするし、栄養にもなる。

ただし、最低で2ヶ月ほど性分泌液を接種しないと、淫魔は飢餓状態になる。

それが極限まで行くと、意識が朦朧として見境なくヒト属の生物を襲う様になる。


「別に気持ち悪いとは思いませんけど…つまり、さっきまで貴女は飢餓状態だったんですね」

「まぁ、そうなるかな……それが人を襲って良い理由にはならないけど…」


バツが悪そうに一歩引いた少女は、私がさっき感情任せに踏み潰したゴミの残骸を踏んだ。


「ん、これなにーーーッ!?」


一気に顔色を悪くして、口元を押さえながら吐いている。

まぁ、これが普通の反応か。


「貴女がコレに襲われていたので、憂さ晴らしついでに助けたんですけど、もしかして補給中だったんですか?」

「い、いやっ…意識が無くて、エネルギーも無かったからっ…んぷっ、ただ、倒れてただけだと……んウ"ッ」


彼女は、少し息を落ち着けてから、私に質問した。


「えっと、これっ…なん、で?」

「さっきも言いましたけど、単純に腹が立ってたので。それに大丈夫だと思いますよ」

「どこ、が…!?」


その瞬間、倒れたゴミの体が泡立つ。

潰れた脳組織や頭蓋がばきばき、ぐちゃぐちゃといった音を立てて再生していく。

そう、このゴミは亜人の内の一つ。


「やりやがった、なぁ…!!」


肉体的死を持たない生ける死体、死屍。

病気や事故などで肉体が崩壊することはあれど、

肉体の損傷を修復して完全に再生する、不死身の存在。

彼ら彼女らは唯一"老い"によってのみ死を迎える。

その寿命はおよそ130年ほど。

ただし出生率が低いので他の種族と比べても普通程度の数が生きている。


「死屍だったんだ...」

「落ち着いてんじゃねぇぞォ!もういい、お前らどっちもぶっ殺してやる」


死屍は面倒なことに、崩壊を繰り返すと欲求への抑制が効きにくくなるという性質を持つ。

目の前のやつなんかは顕著だろう。


「これ以上暴れるんだったら正当防衛させてもらいますよ」

「るっせぇッ!今からーー」


ゴミが殴りかかろうとした瞬間。

私は男の背後に回りこんで首に強力な手刀を喰らわせた。

肉体に損傷を与えず、それでいて脳を揺さぶる程度の衝撃を。


「かはっ……」


ゴミは一瞬で倒れて、動かなくなった。


「えっと…何、したの…?」

「気絶させただけです。とりあえず信頼できる人にコレは預けちゃいましょう」


私はスマホを取り出して、私の知り合いで一番信用できる人に連絡した。

ぱぱっと済ませて、私はその場を離れる。

すると、後ろから少女もついてきた。


「……ついて来たって、これ以上私が餌になってあげることはないですよ」

「そうじゃなくて!……その、せっかく助けてもらったから、友達になりたいなーって…」

「……友達?」


私は少し困惑する。

友達とは、あれだろうか。

あの、人と人が仲良くする、あの関係性のことか?


「……別に、いいですけど。私から貴女にあげられるものは何もないですよ?」

「いいの!私があなたと一緒にいたいなーって思っただけだから」

「…そうですか、勝手にしてください」

「じゃあ、連絡先交換しない?」

「いいですよ」


そう言って私は、連絡先を交換した。

今まで1つしか無かった連絡先に、新しく1つの連絡先が追加された。


「すずかさんって言うんですね」

「あ、うん。茅野(かやの) 鈴佳(すずか)。そういうあなたは…ある…あるな?」

茨木(いばらき) 或無(あむ)

「或無ちゃんだ。えっと、じゃあ…これからよろしくお願いします?」

「なんでそんな堅苦しい感じなんですか?」


というわけで。

私は今日初めての友達ができた。

相手は私の初めてを奪った… 貰った?人。

…なんかおかしいな。

なんか2000文字超えた……怖い…

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