レストラン
祖父はレストランのシェフだった。今では歳のせいで辞めてしまっていた。
けれど、祖父は料理を振舞うのが好きだった。しかも、とても美味しい料理だった。
基本となるオムレツも、サラダやスープも、メインディッシュも、祖父が作る料理はとても美味しかった。今でもその美味しさは覚えている。
祖父にとって料理は生き甲斐であり人生そのものなのだろう。いつもとても楽しく料理をしていたのだから。
昔のある時、祖父が働いていたレストランが倒産の危機を迎えてしまった。どうなるのかとハラハラしていた。祖父はレストランを辞めてしまうのだろうか。
しかし、祖父が働いているレストランが倒産の危機を迎えていると知ったとある実業家が、お金を出してくれることになり、無事に経営を続けることができるようだった。
なぜ、祖父が働いているレストランにお金を出したのか、実業家の人に聞いてみると、あのレストランで食べた祖父の料理が忘れられなくて、失ってしまうのが嫌だったからだそうだ。つまり、祖父の作る料理に惚れ込んでいたというわけだった。
祖父はすごいと改めて思った。料理でファンを生み出していたのだから。
その時の祖父は恥ずかしそうに笑っていたのを今でも覚えている。
祖父のような料理人になりたい。自分の作る料理で楽しんでもらいたい。そんな気持ちを抱いている。
だから私は一心に料理に向き合っているのであるーー。




