クローゼット
私は籠る。クローゼットに。ウォークインクローゼットに。
普通は物置なのだろう。しかし、私は違う。安心できる場所なのだ。だからこそ両立させる。隠れ家と物置を。理解されないとしても。
しかし、一人暮らしを始めた私は、ウォークインクローゼットが無くなってしまった。今の家は押し入れである。
籠ることもできるが、腰が痛くなるのが現状である。でも、あの暗闇の時間の心地よさは忘れ難い。
布団に籠もればいいだろう。しかし、それではあの暗闇の良さを感じられない。
暗闇の中、ランタンの仄かな明かりの元でじっくりと黙想する。その心地良さといったら、何物にも変え難いものだろう。変わっているとしても。
私は隠れ家に憧れているのだ。秘密基地などもそうだ。良い年をした大人が、と思うだろう。
けれども、私の隠れ家は暗闇が欠かせない。ランタンの仄かな明かりが良い。暗闇の中が落ち着くのだから。
変わり者だと人は言うだろう。ならば、常識を広げない者と返していく。人それぞれ常識は異なるものであるがゆえに。
私はこれからも隠れ家を作っていくのだろう。理解されないとしても。破壊されゆくとしても。
何度だって繰り返していく。私自身のために。理解の外側に立ち続けていく。
それこそが私が私で在り続けていくことでもあるのだから。他者にそれは委ねることはできないもの。私が私で在り続けている限りずっと続くものであるがためにーー。




