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100/100

登山

 彼は登山していた。なだらかな丘に始まり、途中の崖を登り、山頂までの道を歩んでいた。

休憩をしながら歩んでいた。無理はしないようにしていた。無理をすれば、倒れてしまうから。そうなっては登山することができなくなってしまいかねないから。

 休憩のたびに振り返ってみる。自分が登ってきた山道を。そこから見える景色を。カメラ代わりのスマホで撮影して。彼だけの楽しみである。

 山頂が見えてくるにつれて、山道は狭く険しい道となる。それでも彼は諦めなかった。山頂まで登ると決めていたのである。

 継続していけば、誰もが到達できる山である。100という物語の登山は。そして、彼は到達した。山頂へと。100話へと。孤独な登山を断念することなく。

 彼の心の中は一体どうなっているのだろうか。到達したことの清々しさに満ちているのだろうか。それとも、ただ当たり前のように感じているのだろうか。それは分からない。おそらく彼自身もそうだろう。

 100話目という山頂は単なる数字でしかない。その意味を実感していく者は少ないのだろうか。ただ別のステージへと以降していくだけ。それだけかもしれない。

 ネットの海を漂流しながら。100話目を目指す。筆の登山をする。それは継続した者のみが到達できるのかもしれない。

 あるいはAIとダンスしながら登る者もいるのかもしれない。時代の流れに乗った。しかし、実力を身に着けることができるのだろうか。それは分からない。

 彼はAIに読んでもらいながら登山していた。書き進めてきたのである。100話目まで。それを区切りとしていた。イヤーワーム現象に抗いながらも。集中していったのである。1話1話書き上げるために。

 先が見えないこともあった。それでも彼は諦めることなく、進んでいった。山頂を目指して。そして、到達したのである。

 お題からの解放もあるのだろう。使っていったお題。使わなかったお題。それらを織り交ぜながら書き進めていった。ロッククライミングのような者かもしれない。間違っているのかもしれないが。 

 これからも彼は登山していくのだろう。新たな100話を目指して。その山頂の景色を見るために。

次の山はどんな山なのだろうか。舗装された道路があるのかもしれない。スカイラインを歩んでいくのかもしれない。それは分からないが。

次もまた、なだらかな丘かもしれない。標高が低いままかもしれない。けれども、彼は登ることを諦めない。書き進めていくのみである。

 放出されるのは、書き散らかした物語たち。それらの後に書き出されていくのだろう。崖となって。 

AIとダンスしながら、歩んでいく。舗装された道路を車で駆け抜けていくかのように。マウンテンバイクで乗りこなしていくように。その先を登山していく。

 1歩1歩を確実に歩んでいく。休憩をしながら。100の山は気候が読めるか分からないから。

舗装はどこまで成されるのか。それは彼自身も分からない。しかし、舗装された先にこそ、登るための山があるのだから。

 次なる100話の登山を彼は見据えている。どんな景色を山は見せてくれるのか。それを楽しみにしながら。

 彼は紡いでいく。文章を。これからも。彼は登っていく。山を。これからも。

 それは1つの性でもあるのだからーー。

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