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第33話  重なる想い


「アルベール様……。」


立ちすくんだまま、

リリア様は、囁くようにその名を呼んだ。


「リリア様。」


アルベール様は、張り詰めた表情で、まっすぐに見つめ返す。



「チェリーブロッサムを……枯らさずに育ててくださって、ありがとうございます。」


「……成長が気になって、こちらに見にきました。」



――リリア様は、黙って聞いている。


すると、


「……いえ、違うのです。」

「そんな理由では、ありません。」



強く首を振った。



「……リリア様。」



声が、わずかに震えていた。



「……ずっと……ずっと、あなたに、会いたかったのです。」



その言葉に



リリア様の瞳が、大きく開かれた。



「アルベール様……っ」



悲痛な声だった。



次の瞬間。



堰を切ったように、言葉が溢れ出す。



「わ、私も……!」


「ずっと……ずっと……アルベール様を、お待ちしておりました……!」



必死に言葉を紡ぐ。



「……会いたくて……」



「リリア様……。」



アルベール様の表情に、柔らかさが戻ってきた。



「長くお待たせして、申し訳ありませんでした。」



リリア様は、ゆっくりと首を横に振った。



――お互いに、手を伸ばす。



引き寄せられるように距離が縮み、2人の影が重なった。



ふわりとした春の夕日が、優しく二人を包みこんでいた――。


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