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第15話 お見舞い
リリア様のお部屋には、ふんわりと百合の香りが漂っていた。
あのあと、律儀なアルベール様は、お城の従僕を通して百合の花を届けてくれたのだ。
アルベール様が熱を出したと聞いた時は心配したけれど、
後から本人の様子を聞いた限り、どうやら至って元気だったらしい。
私は、リリア様から庭での出来事を聞き終えて、そっとため息をついた。
……アルベール様が、心底気の毒だ。
心配になるくらい真っ赤になっていたらしいのに、リリア様にはまったく伝わっていない。
なんとか報われてほしい。
ーーあ、そうだ。
私は、ぱっと顔を上げた。
「リリア様。アルベール様のお加減、心配ですし……今度、お見舞いに行かれてはいかがでしょう?」
ーーもう元気みたいですけどね。
心の中でこっそり付け足しながら、私はにこやかに提案する。
「そうね。」
「お花もいただいてしまったし、またお伺いしましょう。」
リリア様は、すぐに提案に乗ってくれた。
よしよし。
なんだか、順調じゃない?
少しずつだけれど、二人の距離は確実に近づいている気がする。
そんな様子が、私はなんだか嬉しかった。
さて。
次はどうしようかしら?
私は、次の作戦を考えながら頭を悩ませた。
……けれど、
そんな私の小さな作戦など、全部吹き飛んでしまうような出来事がーー
このあと、起きてしまったのだった。




