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ラフサーガ  作者: 笑太郎
一章 新たな冒険は彗星の如く
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リュックを無くし、野望を知る

 就寝する前の何か忘れてるような違和感。起床してすぐに分かった。


「リュック置いてっちゃったああああああああああああ!!」


 遡ること半日前。破壊された家で包丁を手に取った俺がエビルウロスの元へ向かう直前の行動。

 戦闘時の重さを考慮し、その破壊された家にリュックを置いていったのだ。

 倒したあとにまた取りに戻ろう。とその時は思っていたが……さすがに死を目前にしたら忘れてしまうよ。そのまま翌日までそこに置きっぱなしにしてしまった。


「大丈夫かなァ……盗まれたりしてないよな……」


 普通に考えれば崩れた家に置いてある荷物には当分誰も触らないだろうが、それでもやっぱり心配なもんは心配である。という訳で早速探しに向かう。



 嬉しいことに宿代はタダだった。現在所持金ゼロで何も持ってないから本当に良かった。ここでも恩恵があるとは……


 崩壊した家へ行くまでの道のりで、様々な町民に挨拶や感謝をされた。


「あの人だ!」


「お、あれが俺たちの町を救ってくれた少年か!」


「ありがとー!お兄ちゃん!」


 うへぇ〜こういう感じで褒められるのは慣れてないから小っ恥ずかしいな!


 とまあ途中で少し寄り道したけどリュックを置いた崩壊した家の元へと無事に到着した。しかし、既にそこにリュックは無かった。


「かッ……嘘やろ……」


 盗まれた?本当に盗まれたってのか?いやいや、もっとよく探せば見つかるだろ……瓦礫の中に埋まってる可能性もあるし……



 その後もリュックを探し続けるも、見つかる気配は無かった。


「うあああーーーん!!どうじでだよォォ!!お金だっで!!お菓子だっで入っでだのにィィ!!」


 町を救ったってのに何だこの仕打ちは!と言わんばかりに泣きながらキレる。


 こんなトコ町の人に見られたら恥ずかしすぎるな! 町の救世主がリュック無くして泣いてるとかアホすぎて流石に見られたくないわ。


 無いものは仕方ねェ、ってなワケで早速謝礼を貰いに町長のところへ行く。


「お邪魔しまーす、謝礼貰いに来ました」


 腑抜けた挨拶で町長の家にお邪魔する。


「よくぞいらっしゃいました。ささ、こちらへお座りください」


 家族団欒で食事をする時に使うようなテーブルと椅子に案内され座る。


「まず、謝礼の件ですね」


 キタキタ!一体何が貰えるのか……お金か? 食料か? 死にかけたんだしそれ相応の対価は欲しいな。


「──こちらになります」


「クゲッ……」


 変な声が出てしまった。


「そっ、そんな大金を!?」


「我々誰一人犠牲にせず、かの魔物を打ち倒し、我々を救ってくれた……気持ちとしてはもっと渡したい程です」


 リュックの事などどうでも良くなってしまうほどの金を手に入れてしまった。これがあれば余裕で一ヶ月はニート生活できてしまうレベルだ!

 いやもうニートしちゃおうかな? いやいや冗談冗談、何のためにここに居るかって話だわ。


「では、先日は本当にありがとうございました。後はこの町に滞在するも、別の場所へ赴くも、お好きなように、ご自由にどうぞ」


「ああ、ありがとう。……そうだ、質問してもいいか?」


 エビルウロスと遭遇してからずっと気になっていたことがあった。


「魔物、そして魔王。コイツらは一体……何なんだ?」


 何なんだ、って情報が全く入ってない質問ではあるが、はっきり言ってこちらからしたらアレは全くの謎生物だ。人間と敵対し、人間離れしたパワーを持つ、現実の物とは到底思えない存在。マジで何なんだって疑問しか浮かばんよ。


 俺にとっては魔物として代表的なエビルウロス。最終的に倒したとはいえ、俺は殺されかけた。そして死に際に放った()()()という言葉。考えると恐ろしい。様付けしていることから察するに、エビルウロスよりもずっと格上の存在であることは明らかだろう。


 町を滅ぼしかけたエビルウロス。それを遥かに凌駕する存在がいるとなれば、無性に気になるのが冒険者のサガだ。二日目だが。



「……よくぞ聞いてくださりました。話しましょう。奴らが一体、何者かを──」


 町長は語る。



 ──数年前、突如数体の謎の存在が現れた。牛のような見た目の者や、動く木のような者、そして竜のような者など。それらは徐々に数を増して民を圧倒し、この国を支配した。

 そしてその後、それは現れた。


「我は魔王。我が野望の為、これよりこの世界を支配する。」


 魔王が放った宣戦布告で、民は絶望した。

 だが、それでいて奮起した。


「絶望を止めたくば、現れよ! 我々を打ち倒す戦士よ、この世界に再び光を灯す、勇者よ!!」


 その日から現在まで、魔物との戦いは続いている──



「──なるほどな。要するにちょっと前にいきなり現れたやべえ奴ってことか」


「簡潔に言うとそうなります。」


 魔王の宣戦布告、それを打ち倒す戦士、光を灯す勇者……そうか魔王、理由は分からんがとにかく強い人間を求めてんだろう……!


 じゃあなってやろうじゃねェか。勇者とまではいかなくとも、テメェを打ち倒す戦士に!!

貰った金額は10万ワラです。

価値は10万円と同じです。

(お金の単位をこの世界ではワラと呼称します。)

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