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ラフサーガ  作者: 笑太郎
二章 想像せよ、彼女の操る野望は其処へ
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弱者を払いし砂漠の門番、故の彗獣パスポート

 オレンジサバイバル女の攻撃を受け止めるために武器を構え、上手く受け止めた……はずが、なんとまさかの武器破損。あまりにもタイミングの悪い破損、いや百足戦の頃から予兆はあった、あったのだが、ただこうも簡単に壊れるとは思いもしていなかった。だって壊れ方もアレだ、持ち手からただ刃の部分がスポンと抜けただけっていう……何と言うか、この…………


 この不良品があああああああ!!


「ああああああああ…………」


「……クチクあれどうする?」


「ほっとけ」


 なんという情の無さ、こっちは怪我人だぞ……まあ食らった俺が悪いと言えばそうなんだけど。


 気を取り直して。オレンジサバイバル女のバツ字斬りを普通に食らってちょっと出血している俺は死にたくないので一旦退避……しようと思ったのだが、オレンジサバイバル女の様子がおかしい。何やらとても動揺しているような。


「あ、あ…………しっ、従わないからそんな目に遭ったんだ……!」


 まるで一切の覚悟すら無かったかのような声の震え、覇気の無さ。

 そんなこと感じてる俺は無様に痛がって逃げようとしてたじゃんってのは置いといて流石に分かる訳だ、さっきも言ったが彼女は何か隠している。

 あくまでも予想ではあるが、今までの発言、行動から察するに、この先に何か大切な物……もしくは危険な物が存在する可能性がある。前者の場合ならそれを護る門番的な立ち位置であろう。ただ後者の場合は少し話が変わってくる。


「まあ……仲間がやられた以上は黙っちゃおけないよね」


「次は俺達の番だな」


 サキとクチクが戦闘の体制に入る。

 ってちょっと待て!!明らかに理由があるなってのは分かったし一旦タンマ!!構えないで!! てかやられてねえし!!


「誰がやられたってェ!? まだお前ら武器を下ろせ、俺のターンじゃい!」


 痛みを和らげようと深く息を整えながら冷静に皆を落ち着かせる。こちとら聞きたいことがあるんだよ。


「アンタ……いい加減勿体ぶらずに教えてくれよ、向こうに何があるんだ」


「………………」


 もしもの話だが危険な物があって、それを護っているのであれば、それは俺達の敵であると言ってもいいだろう。危険だからな、問答無用でこの女を戦闘不能にするつもりだ。


「……ダメなんだ、お前たちの等級では」


 女の口から言葉がこぼれる。

 それは俺たちが求めていた言葉であり、デソロートへと赴いた俺たちの目的でもあった。






………………

…………

……






「マジかよ」


 オレンジサバイバル女を訂正し、名をハスナという彼女は、俺達の進行を止めた理由を語った。

 今デソロートは危機に陥っており、正直言って客人を迎える余裕のないこと、三日後には防衛戦が起こること、故に現状デソロートに進入できるのは紅等級以上のみということ。

 防衛戦が何故起こるかの原因はハッキリしていた。俺たちが求めていた敵である操像の参タリオーラ。奴がボントールという集落を定期的に攻撃している、ただそれだけの話。

 ちなみにさっき見た巨大な骨の柱がいっぱいあってその上からテントが被さっているような建造物がボントールらしい。


「そういえばお前たち、四天王に用があると言っていたが……そちらの話も詳しく聞かせてくれないか?」


「任せろ任せろ、俺は説明が上手いからな」


 サキから「本当に〜?」とか思われてそうな視線が飛ぶ。いや全然嘘とかではなくてね。


「まず先に語らなきゃならんのが……俺達は昨日、四天王の一角『彗獣の肆』ロマリウスと遭遇し、戦った」


「え?」


「そりゃもう圧倒的に強かった、紅制エビルウロスや悪樹とは比べ物にならんほどにな……でも善戦はしたんだよ、俺の必殺技が炸裂した時にアイツは……」


「ちょっと待て!! 一旦止めてくれ」


 いきなり喋りすぎたのが理由か、ハスナに説明の中断を求められる。やっぱ相手の喋るターンとか考えた方がよかったかな? もっとコミュ力上げなアカンな〜。


「『彗獣の肆』と戦った? 善戦した? ……寝ぼけているのか?」


「いや嘘じゃないマジで俺ホントのこと言っただけで」


 代われ、と言わんばかりにクチクが俺を制し、代わりに説明を続ける。


「驚くのも無理はないが、全部そのまま起こったことだ。俺達は奴と戦い、生還した。この腕の傷も昨日彗獣の肆と戦って付いたものだ」


 無事に生還できたのはエレムとレーフのおかげだが、それでも彼女らが来る前からロマリウスとに手も足も出ないこともなく戦えてたってのは大きい。


「……いや、決定打が足りない。質問に答えてもらおうか」


 突然のクイズタイム、どんな質問なんだろうなーってこれまさか早押し形式!?


「『彗獣の肆』が素手で繰り出す風魔法は?」


 うおおおおおおお早押し


「風来坊!」


 クソ!! サキのが早かったか……次は負けんぞ。


「せ、正解だ……次、『彗獣の肆』の杖の形状は?」


 脳が反応するより先に口を開けうぼぁっ

 クチクが即答し、ハスナは黙り込む。


「……お見事、正解だ。本当に遭遇したんだな」


 まあ初対面だし信用できなかったのも無理はない。俺だって初対面でその上戦った相手に「お前らが苦労してやり合ってる四天王のうち一体と遭遇して善戦したぜ」とか言われてもお前嘘つくなよって思うもん。


「すまなかった、先程までの無礼を許してくれ……お詫びと言っては何だが、ボントールまで案内するぞ!」


 色々あったが、これでようやく目標に向けた次のステージへと動くことができた。というよりかなりショートカットできたんじゃね!?

 ボントールに到着したらアレだな、新しい武器とか手に入れないとマズい。メイン武器になり得るはずだったあの短剣は刃と持ち手が分離して使い物にならなくなったから……クッソ、俺の数万ワラ返せよ!!

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