エピローグ:四天と呼ばれし者、三番目
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魔王が率いる組織には、四天王と呼ばれる幹部が存在する。
先程の一行が遭遇した四天王の一人、『彗獣』はミハエール王国中を放浪し、珍しい存在があれば獲りに行くという生態。美しい紫色の毛並みに妖しげな蛇状の杖。
性質的に、彼には拠点と呼べる物は存在しないと言っていいだろう。
ならばもう一人は果たして。
四天王の一人、『──』はとある砂漠を土地とした拠点に存在し、大抵の魔物を自由自在に操る。
傷付いた三角帽子を被り、手には謎の書物を持つ。
彼女の力により起こる被害は並の物ではない。
近くにある集落は満身創痍、食糧も尽きかけるほど。
彼女が起こすのは「戦闘」などと生温い物ではない。
その目で見れば思うだろう。
彼女が引き起こすのは「戦争」だ。
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ルターロ村に戻ってから少しして。
「ねーねーワロタさーん、あの時『お前以外の四天王全員ぶっ倒す』って言ってたけど……ホントにやるんすか……」
ロマリウス戦で満身創痍になった影響か、ちょっとサキの口調が変なのは置いといて……
「っ……ったりめーだろ! そりゃもうボッコボコにしたるわ!」
「今の所、俺達がされる側だろうがな」
こんな事ほざいてるけどそもそも場所すらわかんねえや!
その場のノリで調子に乗ってしまうことってありますよね。何回目でしょうか。後悔するのは。
「中にはロマリウスより強い四天王もいるかもしれないんすよ……」
「……はっはっは! その時はまた逃げりゃいいんだよ!!」
「腑抜け! 意気地無し!」
何とでも言ってくれ〜〜…………
◇
とある混砂の地。
そこに居るは、かのエビルウロス。
否。"紅制"エビルウロス。
「あら……こんな酷い状態にされちゃって……」
ボロボロの状態で立つ紅制エビルウロス。
その前にある、大部分が砂で出来たような玉座に鎮座する、謎の若い魔女。
「どうやら、骨のある娘がまた来たみたいね……この子たちがすぐにこうなっちゃうなんて……」
その若い魔女は、妖しげな笑みを浮かべて言う。
「そろそろかしらぁ、あなたの野望、いや私達みんなの野望が……現れる時は」
彼女は想像する。世界の要へとなる野望が、眼前へと迫ることを。




