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第28話 残念!仲良くしてもらいます!!

「え、えええええええええええぇぇぇぇぇぇ!!!????????」


ラルフは困惑と共に絶叫した。湧き上がるのは数々の疑問と困惑。


(え?なんで?僕、戦闘要員だよ?ビッティーの影武者とかやる要員じゃ無いと思うんだけど?そんなことす

る要員はいくらでもいるでしょ?なんで僕?)


湧き上がる疑問はとどまることを知らない。そんなラルフを見て公爵は少し疲れたような笑みを浮かべ、事情の説明をし出した。


「実はね。娘のビッティーが暗殺されてしまったんだよ」


「……ほぇ?」


ラルフはまた困惑の声を漏らす。だが、もう驚きすぎているので、その言葉を頭はそのまま受け入れた。


(ビッティーが暗殺?そんな話は始めて聞いたんだけど?ゲームの設定資料集にもそんな内容1ミリも書かれてなかったし)


「ご、護衛はどうしたんですか?」


「護衛も働いたんだけど、いかんせん数が多くてね」


護衛では対応しきれない数で襲われたらしい。


(どれだけいたの?セーナ公爵家の騎士も侍女も相当強いはずなんだけど。それで対応しきれないって、かなり凄いよ)


「具体的に言うと、100人くらいだね」


「100人っ⁉」


それだけの人数が、たった1人を暗殺するために送り込まれたらしい。因みに詳しく聞いてみると、その100人は全滅させたそうだ。お陰でしばらくは大量の暗殺者が来て暗殺されることはないだろうという話だった。


「私みたいな平民とは考える規模が違いますね」


「はははっ。我が家でも100人は送らないね。せいぜい10人だよ」


そんな話をして、想定外もいいところな次の仕事に関する話し合いは終わった。その後は教育係達と調整をしたり、


「やぁ。ラルフ君。……いや、我が妹と呼んだ方が良いかな?」


「やめて下さい。それは変装するときにお願いします。……というか、そういう話は聞かされていたんですね」


アイゼルと話したり。ラルフは、アイゼルがビッティーの暗殺の件を知っているのは驚きだった。こういうのは、次期公爵であろうとまだ幼い子供に教えるようなことでもないような気がしたのだから。そんなラルフの考えを察したのか、アイゼルは笑みを浮かべて、


「ビッティーが暗殺されたとしか聞いてないよ。ラルフ君がビッティーの代わりをするのはただの推測だよ」


「……あぁ。かまをかけた感じですか」


「そう」


満面の笑みを浮かべるアイゼル。ラルフは疲れたように肩を落とした。


(幾ら優しくても、やっぱりこういう所は公爵家って感じがするねぇ。僕も油断しすぎてたかな。今度からもっと警戒しておかないとね)


ラルフは認識を改めた。そんなことをしながら過ごして数日。ラルフはまた王城へと出向いていた。


「勇者ラルフよ。四天王が1人、怠惰のレインの討伐褒めて使わす」


「ははっ!ありがたき幸せ!」


四天王を倒したラルフは、王から直々に賞賛された。更に褒美として、かなりの大金も手に入れられた。

そして、その様子を呆然としながら見る者が3名。例の勇者パーティメンバーである。王から褒められた後に3人とラルフは個室に入れられ、


「……で?何だっけ?四天王を僕が先に倒したら、奴隷になるんだっけ?」


ラルフはニヤニヤしながら尋ねる。3人は悔しそうな表情をした後。


「くっ!何をするつもりだ!卑怯な手を使って勝って嬉しいか!」


「我が深淵を支配しようとは、貴様も傲慢だな。真の悪を知らない卑怯者め!」


「ひ、卑怯な方法で買って嬉しいんですか?」


3人は、どうやらラルフが卑怯な手を使ったと思っているようだ。目線はかなり厳しい物となっている。

だが、だからといって約束を違えるつもりもないようだ。何を命令されるのかと少し怯えた様子である。


「じゃあ、早速1個目の命令といこうか」


「っ!私は屈しないぞ!」


ライラは叫ぶ。他の2人も、ライラと一緒にラルフを睨んできた。そんな3人にラルフは笑みを浮かべて要求を告げる。


「僕と、もうちょっと仲良くしてくれない?」

「「「…………は?」」」


3人は目を点にして困惑の声を漏らす。まだ幼くはある美少女としての片鱗はすでに見え始めているので、こんな顔もなかなか可愛い。ラルフはそんな顔を笑顔で眺めながら、命令の理由を説明する。


「ほら。僕だけ仲間はずれで、しかもなんか嫌われてるじゃん。寂しいんだよねぇ~。……だから、もうちょっと普通に話したりとか出来ないかなって思って」


「え?仲良く?」


「う、うむ?我が深淵の同志となりたいのであるなら構わないが」


「仲良くは難しいかもしれないけど、……話は頑張ります」


ライラはまだ困惑している風であったが、ディアナとルルは頷いてくれる。それによってライラも落ち着きを取り戻してきて、


「ま、まあ、お前が仲良くしたいというのなら構わないが」


「そう?良かったぁ~。僕、同年代の友達が少ないから困ってたんだよねぇ。……公爵の屋敷、年上のお兄さんお姉さんばっかりで」

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