そういうことらしい
結論から言うと、チョコレートの公表は見送られることになった。
◇◇◇
「所長、副所長、お時間よろしいでしょうか」
「ほっほっ、かまいませんよ」
「おや、ただ新作スイーツを持ってきた、という訳ではなさそうですね」
「はい。まずは試食を。カクの実を使ったスイーツ、チョコレートです」
チョコレートとホットチョコ、ココアを用意して、事の始まりと経緯、そして予想される懸念をジンさんが説明している。
その間おじいちゃんとオリバーさんはしっかりと話を聞きながら、うっとりとした様子でチョコレートを味わっている。
「ほっほっほっほっ!これは確かに奇跡のスイーツと言っても過言ではありませんねえ」
「ふむ!確かに奇跡のようなスイーツですね。しかし薬として研究されているものが原材料ならば、慎重に考えねばなりませんね」
「カクの実についてのレポートは今、研究員ベンジャミンがまとめている所です。すぐに用意出来るとのことですが、まずは先触れとして来ました」
「ふむ、なら話はそのレポートを読んでからにしましょうか。他にチョコレートについて知ってるのは誰です?」
「ベンジャミンの他は、アルベルトとイワンです。それと詳細は話していませんが、ノアの診察にはアルベルトの部下も立ち会ってます」
「ならば全員に箝口令を敷きます。まず所長と私で話を詰めます。纏まったら、改めて全員呼びますので、それまではチョコレートの製作は控えるように」
「了解しました」
◇◇◇
研究室でチョコレートを食べて全員がもれなく床に突っ伏し悶絶した後、すぐさま所長室を訪ねた。
そしておじいちゃんとオリバーさんが話し合った結果、ココアだけを発表することに決めたらしい。
そもそも、カクの実、もといカクの木はそこかしこに自生してるらしい。
実に毒性はあるものの、素人さんでも処理出来ること(といっても食べたり何かしたりする訳じゃないらしいけど)が理由で、よほど大きくなったり、広がったりしない限り放置されていて、あちこちに竹林ならぬカク林があるらしい。
だからまずは、放置されてるカク林の管理をする農家なり機関なりを作るところから始めるらしい。
それに関しては当てがあるらしく、すぐに稼働できる見込みらしい。
きちんとした管理と量産の算段がついたら、まずはココアだけ公表するらしい。
そして、チョコレートについてはまた時期を見て公表するらしい。
とは言っても事の始まり、僕がカクの実を食べて医務室にジェットコースターされたのも、そこにイワンさんが突撃してきたのも、その後、ベンジャミンさんの研究室に立て込もっていたのも、研究所内では既に広まってしまっている。
つまり、新しいスイーツが出来たということが、なんとな~く知られてしまっている。
なのでココアは秘密厳守を条件に研究所内でひっそりと提供される事が決まったらしい。
さてここで問題です。今僕は何回、らしいって言ったでしょーか!
正解した方には特に何もありません!
だって僕はスイーツを作るだけだもーん。作った後のことは大人に丸投げでもーまんたい。なんせ僕はお子ちゃまですから!
それより早くおおっぴらにチョコレートが食べられるようになるといいなあ~。
らしいですよ←
そしてジンさんのディフェンスとノア君のオフェンス、全く勝負になりませんね
ノア君が勝てる日は来るんでしょうかね?
今日も読んでくださる皆様に感謝いたします
ありがとうございます




