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ベッドに寝かされ服を脱がされ、アルベルトさんとガブリエルさん二人がかりで身体中を調べられた。
あまりの勢いに声を出すことも出来ない。
「アルベルトどうなんだ!?」
「ふぅ…大丈夫よ。何の問題もないわ」
「そうか…ノア」
「ノアちゃん」
あ、あれ、なんかお二人とも、お顔が凄いことになってますのことよ…。ブルブル。
ここまでくれば、分かる。
二人がすっごく怒っていらっしゃるのが。
◇◇◇
というのがさっきまでの流れである。
青い顔で追いかけてきたベンジャミンさんもほっとした様子で胸を撫で下ろしている。
「全く、何を思ってあんな真似したんだノア」
怖い顔のままのジンさんの質問につっかえながら応える。
「うえっ、うっ、ヂョゴ、レート、においっじた、がらぁ」
「さっきも言ってたな。そのちょこれーとってのは何なんだ」
「スッ、スイーヅ、でしゅっ。きゅっきょぐの、スイーヅっでしゅぅ」
「はあ…ノア、スイーツに関してはお前しか分からないこともあるだろう。だがな、さっきみたいにいきなり口に入れるのは言語道断だ。この森の物に限った話じゃないが、未処理の状態だと毒性がある植物はいくらでもある」
「そうよノアちゃん。幸い今回は大丈夫だったけど、一つ間違えば命が危ないこともあるのよ」
「うっうっ、あい。じんっぱいっかけて、ごめんっじゃい」
「はぁ…分かればいい。二度と同じ事するんじゃないぞ」
そう言って、やっといつもの顔に戻ったジンさんに抱き締められた。
アルベルトさんにも頭を撫でられる。
ううう怖かったよぉ。危うく下着がご臨終するところだったよぉ…
◇◇◇
「で、ちょこれーとってのはどんなスイーツなんだ?」
顔を洗ってすっきりさっぱり。お水を飲ませてもらってると、真剣な表情のジンさんに尋ねられた。
「究極って言ってたわよね」
アルベルトさんもさっきとは違う怖さを醸し出してる。プルプル。
「新しいスイーツはどこだ!」
そこに更に、医務室の扉を壊さんばかりの勢いでイワンさんまで登場した。どこで聞き付けたの?
よし。ここは究極のスイーツ、チョコレート様のお力で皆の度肝抜いちゃう!
そして僕のうっかり暴走を忘れてもらおう!
◇◇◇
今回は厨房ではなく、ベンジャミンさんの研究室をお借りする。
そもそもカカオいや、カクの実の研究はベンジャミンさんの仕事だからね。
薬研や乳鉢などの古典的な道具から最新の魔工品まで色々あるというから、遠慮なくお邪魔させてもらう。
さて。まず、さっき僕が食べたカクの実、これたぶんカカオニブってやつだと思われる。香りはチョコレートだけど、味はほろ苦くてちょっぴり酸味があったから。
これはこれで栄養豊富だし、クッキーなんかに混ぜても美味しく頂ける。
あと、僕は食べたことないけど、蜂蜜漬けにも出来るらしいんだよね。エリックさんが食いつきそう。
このカカオニブを擂り潰して砂糖とかバターとか乳製品を混ぜるとチョコレートになるとかなんとか聞いた覚えがある。…気がする。
さてさて、僕のにわか知識でどこまでチョコレートを作ることが出来るのか…
僕たちの戦いはこれからだ!
打ち切り漫画のような終わり方ですが、安心してください。続きますよ!
今日も来てくださりありがとうございます




