デザートとは
衛生兵ノアであります!なんてね。
「ノア、こいつはテディ。一応うちの人間だ」
「ジンしゃんのぶかしゃん?」
この行き倒れ兄さんが?
ちらりと横目で見ると僕が持ってたクッキーとパウンドケーキを無言で貪ってる。あ、完食した。
「ふう…ごちそうさま」
「ごちそうさま、じゃねえよテディ。テメエまたサボってやがったな」
「だってお腹すいたんだもん」
「もん、じゃねえ。おら、ノアにちゃんと名乗って礼言え」
「はぁい。ノア君、僕はテディ。美味しいスイーツありがとう。これからもよろしくね」
その【よろしく】は仲良くしてね、という意味なのか、それともまたスイーツちょうだいねという意味なのか、どっちなのかしらん。
ふわふわの茶髪に眠たげな目、お昼寝中の猫みたいな不思議なテンションの人だ。
「どいたちましてー。テディしゃん、ほんとにだいじょぶにゃの?」
「心配ないわノアちゃん。その子は極端に燃費が悪いだけだから」
「う?」
「どんだけ食ってもすぐに消化しちまうんだとよ。腹が減るっつっては、しょっちゅうサボってやがる」
「しょうがないよ隊長、お腹が空くと力が出ないんだもん」
「だから、もん、じゃねえよ。携帯食はどうした」
「朝食のデザートに食べた」
そこまで聞いてまたまた深いため息をついたジンさんとアルベルトさんだった。
携帯食が何なのかは分かんないけど、たぶんデザートに食べるものではないよねきっと。それはそれとして
「テディしゃんいっしょにごはんたべよー」
まもなくお昼ですよ!僕のお腹がそう告げてます!
◇◇◇
「ごちそうさまでした」
うわぁ…テディさん、めちゃくちゃ食べるじゃん。
只でさえここのご飯多いのに、五人前くらい食べたよね。痩せの大食いにも程があるよ。しゅごい。
と思ったらまた何か食べようとしてる!嘘でしょ。
「まてテディそれは何だ」
「デザート」
「携帯食はデザートじゃねえ。つーかさっき食い尽くしたんじゃねえのかよ」
「そこで貰った」
呆れたのか諦めたのか、ジンさんはまたため息をついた。
そして携帯食とやらは某カロリーなバーにそっくりだった。
あれ、けっこう美味しくて好きだったんだよね。
「ノア君も食べる?」
「いいんでしゅか?じゃあひとくちだけ」
じーっと見てるとテディさんが開封したバーを渡してくれたのでお言葉に甘える。
いや~催促したみたいで申し訳ないなぁ~。ではではいただきます!
ガキン!
齧った瞬間、およそ食べ物からするとは思えない音が口からした。
…か、固い!ガジガジ、アギアギと必死になるが文字通り歯が立たない。口の中の水分もどんどん奪われる。
それに何の味なのか微妙に分からない。美味ではないのは確かだけど。
何なのこれ、全然食べられない!
「無理するなノア。携帯食は非常時に、少しずつ食べるようにわざと固く、不味く作られてるんだ。それをデザートなんてぬかして食うバカはコイツだけだ」
ジンさんは冷めた目でテディさんを見てる。
当のテディさんは何事も無いようにガキガキ、ゴリゴリ音をたてながら食べてる。
うわぁ…テディさんしゅごい。
カロリーなバー美味しいですよね
自分が小さかった頃、アレはおやつ枠でした
お陰ですくすくと(横に)成長しました
今日も来てくれた皆様に感謝します。ありがとうございます




