しらべもの2
本を抱えた僕を抱えて歩くジンさん。こんな光景も最近では珍しくない、研究所の日常となりつつある。
考えてみたら、僕って研究所のマスコットキャラと言えるのでは⋯!?え?自意識過剰だって?ほっといてよ。
一度内勤部屋に寄って本とリュックを置いたら食堂へ。今日のお昼ご飯は何だろなあ〜
◇◇◇
「んはっ?」
んん?おかしいな。さっきまでお花やハーブとアロマオイルを大鍋でぐるぐる煮込んでいたはずなんだけど⋯
「起きたかノア」
ぽやぽやしてると丁度ジンさんが仮眠室へ入ってきた。
「イーヒッヒとか言って高笑いしてたぞ。いったい何の夢見てたんだお前は」
見事なまでの夢オチだった。
「まほーちゅかいのゆめでしゅ」
「⋯その夢でなんで高笑いするんだよ」
意味が分からんと言いつつ笑顔のジンさんにさらりと髪を梳かれた。イケメンめ。ありがとうございます!
ベッドからずりずりと下りて仮眠室を出て、顔を洗って軽く歯磨きをする。
今さらだけど、ここに来てすぐの頃はジンさんが歯磨きしてくれてたんだよね。大人サイズの歯ブラシしかなかったから。
今ではちゃんと僕専用のキッズ歯ブラシがあるし、洗面台の側に踏み台もあるから身支度はお手の物だ。
「口の周り歯磨き粉まみれだぞ。もっかい顔洗え。あと髪まで水浸しじゃねえか。拭いてやるからこっち向け」
前言撤回。まだまだのようです。とほり
◇◇◇
すっきりさっぱりしたことだし、調べ物を進めよう。
リュックを背負ってお花の図鑑を抱える。少し大きい図鑑だけど、1冊だけなら持てる。
「何処に行くんだ」
「なかにわで、おはなみましゅ」
実際に咲いてるのを見ながらサシェの構想を練ろうかと。
ということと中庭へレッツゴー!
◇◇◇
研究所の中庭には遊歩道と花壇があり、四季折々の花が咲いている。
テオバルトさんの部下さん達が手入れをしていて、いつも綺麗に整えられているのだ。
健康ブームの高まり以降、中庭を散歩する人が増えた。そのおかげで部下の士気が上がったとテオバルトさんが教えてくれた。
良かった。こんなに素敵な中庭だもの。出来るだけ大勢の人に見てもらいたいと常々僕も思っていたのだ。
それを思えばダイエット騒動も悪いことばかりじゃなかったね。
そう思いながらぽてぽてと歩く僕だった。
引きこもり研究者達に見向きされなくても、腐らず丁寧に中庭を手入れしていたテオバルトさんの部下さん達の中でノア君の株が爆上がり。
今日も読んでくださる皆様に感謝いたします
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