大人の話3
TOブックス様より書籍化いたします!
書籍版タイトルは「ちびっこパティシエの異世界スイーツ革命〜パパともふもふと愉快な仲間と美味しい毎日を過ごします!〜」
10月10日発売です。
よろしくお願いいたします!
ノアがフレンチトーストを作ったその日の夜。所長室に集まったのはジン、アルベルト、イワン、オリバー、そして部屋の主の五人。非公式の集まりなので砕けた雰囲気である。
「ふむ、それでは緊急保護者会を始めます」
「おいオリバー、なんだよそりゃ」
「ノア君のことを話し合うためのノア君の保護者の集いですから、何もおかしくないでしょう?」
「ほっほっ、そうですな。私たちは皆ノア君の家族ですからな」
「だったら、家族会議のほうがいいんじゃないかしら?」
「いいじゃねえか家族会議! うちの末っ子のための話し合いなんだからよ」
「……まあいい。まず俺から。先日、昼飯の時にコッペパンに具材を挟む『惣菜パン』を披露した。本人はサンドイッチみたいにしたら美味しいと思ったと言ってたが、以降の言動をみるにそもそも存在している物を知ってた可能性が高いと思う」
「次はアタシが。先日、くっきーとぱうんどけーきという聞いたことのない料理、のちにスイーツというものと分かりましたが、それらについて発言しています。アタシも同席していた部下もそれらについて知らない事に非常に驚いていました」
「くっきー!? ぱうんどけーき!? なんだそれは聞いてないぞ! どんなスイーツなんだ!?」
「落ち着いてイワン、それはまたノアちゃんから聞きましょう」
「ふむ。ノア君にとっては『ごく当たり前の知識であり驚かれる事に驚く』事だったということですね」
「ええ、アタシ達の反応にかわいそうなくらいしょんぼりしちゃって。それで、イワンのところへ行ったんです」
「おお、その時は俺は大量に余ったパンをどうするか考えてたんだが、ノアにスイーツを作るから手伝ってほしいって言われてな。驚いたなんてもんじゃねえぜ。何せ砂糖を使うってんだからよ。それで見たことも聞いたこともないもんを作ったんだからたまげたぜ。ありゃあまさに革命だ」
「アタシも最初は耳を疑いました。けど結果は想像を遥かに超えましたわ」
「ほっほっ、確かにこのフレンチトーストは絶品ですねぇ」
「ふむ、こちらの揚げパンも非常に美味しいですね」
「砂糖を除けば使ったのは卵にバターに牛乳、生クリームといった最低限の材料で、調理手順も至極簡単。特別なのはその知識だけだ。だがノアはそこが分かっちゃいない」
「ノアにとっては特別じゃないってことだろ。というか、俺たちにとっては特別だということを理解した上で好き放題やったみたいだな」
「ふむ。良い傾向じゃないですか。私達に遠慮しなくなったということでしょう」
「ほっほっ、そうですね。周囲の大人に甘えてのびのびと自由に成長するのが子供には一番いい」
「だがスイーツは確実にトラブルを呼び込むぞ。砂糖を料理に使うなんて今まで誰も思いつかなかった。文字通り世紀の発見だ。一体どこで得た知識なんだかな」
「それは今考えても仕方ないだろう。それにノアはおそらく、いや十中八九くっきーとぱうんどけーき以外にもスイーツのレシピを知っているだろう」
「イワンの言う通りだわ。今まで薬としての研究と活用しかされてなかった砂糖の新たな活用法ですもの。騒ぎになるのは間違いないわ。何か対策をたてなくちゃ」
「ふむ、それについてですが、対外的には新たな研究チームを作るということにします。ジンの言う通り、今後もノア君はスイーツを作る公算が大きいでしょう。その時は研究成果としてレシピを作成、公開します。イワン、あなたには研究チームの中核メンバーとして名前を借りることになります」
「ああ、構わねえよ。ノアを先頭に立たせる訳にはいかんからな」
「トラブルはゼロではないでしょうねぇ。しかし研究成果としてレシピを積極的に公開していくことで、多くの方がこちらに味方するでしょう。なにせ今までになかった全く新しい知識ですからね、ほっほっ」
「ふむ、では、今後の方針としては、ノア君には自由にスイーツを作ってもらい、外には不定期に発表するということでよろしいですね」
「「「「意義なし」」」」
「ほっほっ。それでは第一回家族会議を終了しましょう」
「「「「はい」」」」
個人的には会議は甘いものを食べながらするのが良いと思います。
会議を控える読者様、ご褒美に何を食べるか考えて励んでください
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ありがとうございます
読んでくださる皆様のおかげで書籍化という幸運に恵まれました!
ありがとうございます!
書籍版タイトルは「ちびっこパティシエの異世界スイーツ革命〜パパともふもふと愉快な仲間と美味しい毎日を過ごします!〜」です
10月10日発売です!
今後とも拙作をよろしくお願いいたします!




