おちゃかい
「落ち着いたか?」
「あい」
抱っこであやされた自覚はある。でも、僕は子供だからね。もーまんたい。
「ねえノアちゃん、今から所長室へ行かない? ニコラス所長とオリバー副所長にもクッキーとパウンドケーキ食べてもらいましょう」
「そうだな、そろそろ休憩時間だし一緒にお茶してこい。すぐに包むからよ」
それはいいね。異世界初のクッキーとパウンドケーキ、おじいちゃんとオリバーさんに是非とも食べてもらいたい。それと、
「みんなもいっしょがいいでしゅ」
味見の立ち食いじゃなくて、ちゃんと座ってお茶したい。このくらいのわがまま言ってもいいよね? 僕は皆の子供なんだから。じっとジンさん達の顔を見ると笑顔で了承してくれた。
「ああ。一緒に行こう」
「ウフフ、ノアちゃんに誘われたら断れないわ」
「だな! よーしすぐ準備するから待ってろノア」
「あい」
ふふふ、皆僕に甘いんだから。準備が整ったらいざ、おじいちゃんの元へ。タイミング良くオリバーさんも所長室にいてくれたのでそのままティーブレイクに。
「所長、副所長お茶をお持ちしました」
「ほっほっ、これは有難い。丁度喉が渇いていたところです」
「ありがとうございますアルベルト。おや、ノア君にジン、イワンまでいるじゃないですか」
「おじーちゃん、オリバーしゃん、イワンしゃんとクッキーとパウンドケーキちゅくったから、いっしょにおちゃしよー」
「ほっほっ、ノア君からお茶のお誘いとは嬉しいですねえ」
「しかもお土産まであるとは素晴らしい。さっそく頂きましょう」
アルベルトさんとイワンさんがテキパキとお茶を用意してくれる。僕? 僕はジンさんのお膝の上で待機してますが何か?
「ほっほっ、いい匂いですねぇ」
「これがくっきーとぱうんどけーきですか。どんなスイーツなんですか?」
「こむぎこと、たまごと、おしゃとうと、バターをまじぇて、オーブンでやいてつくるスイーツでしゅ」
「ふむ。同じ材料と調理手順ということですか。それでこうも違う物が出来るとは興味深いですね」
「お二人とも、ノアちゃんが感想を聞きたくてソワソワしてますわ。早く召し上がってくださいな」
おう、バレてましたか。まぁそういうことですので、食べてください。
「ほっほっ、ではいただきます」
「ふむ、いただきます」
美味しいのは自分含めジンさん達が証明済みだけど、それでもちょっと緊張しちゃう。ドキドキしながら二人がクッキーを食べるのを見つめる。
一口齧ったところで目を見開いた二人の表情は驚きに、そしてすぐに感動に変わっていく。
「ほっほっほっほっ! これは美味しいですねえ! 頬が落ちてしまいそうです」
「ふむ! いやはや、驚きました。こんなに美味しい物は初めて食べましたよ!」
やったー! 二人とも喜んでくれたー!
「ほっほっ、ノア君は凄いですねぇ、こんなに美味しい物を作れるなんて」
「ふむ。いやはや全く脱帽です」
「よかったなノア」
「えへへへへぇ~」
皆に絶賛されてデレデレの僕をジンさんが撫でてくれた。さっきまで怖がってたくせにジンさんにあやされて、皆に誉められて持ち直すなんて我ながら現金なものだ。
「所長、副所長、例の件ですがノアに話してもかまいませんか?」
「う?」
例の件? 何ぞそれ。
「ほっほっ、問題ないと思いますよ」
「ふむ、私もそう思います」
うん? おじいちゃんもオリバーさんも、それにアルベルトさんやイワンさんも頷いてる。いったい何の話?
某絵本で見た動物のお茶会、今でも憧れます。
皆様には理想のお茶会ありますか?
今日も来て下さる皆様に感謝します




