スイーツかくめい☆れきしをかえるスイーツ!クッキー&パウンドケーキ3
「悪かったよノア、あまりにも美味いからついなー」
「ごめんなさいノアちゃん、美味しすぎて我をわすれちゃったのよ」
「悪かったノア。美味すぎて止まらなかった」
危うくクッキーが食べ尽くされるところだったよ!全くもう!
僕がぷりぷり怒ると3人は素直に謝ってくれたけど視線はクッキーに向いたままだ。
ねえ反省してる?ほんとにしてる?
そうこうしてる間にパウンドケーキも焼き上がった。
うん、綺麗に焼けてる!型から外して
「パウンドケーキかんせー!」
「「「おおー!」」」
これも本当は冷ましたほうがいいのだけれど、温かいのも美味しいんだよね。皆の視線もアツいことですし
「イワンしゃん、おねがいしましゅ!」
「おう!」
カットはイワンさんに丸投げ。
だってね、すんごいギラギラした目で包丁を構えてるんだものイワンさん。普通に恐すぎる。暗闇で見たらトラウマ確定だよ。
「イワン早く早く!」
「均等に切れよ」
「分かってるから急かすな!」
あらあら皆さんはしゃいじゃって~お可愛らしいことオホホホホあ、もうちょっと厚めにお願いしますイワンさん!
きっちり同じ大きさにカットされたパウンドケーキをパクっと食べれば
「おいしー!」
「「美味い!!」」
「美味しい!!」
まぁ言うまでもない展開だよね。
にしても、うまー!異世界産の材料で作ったスイーツうまー!
「パンとは違う柔らかさとしっとりとした食感!クッキーと同じ材料なのに、食感も風味も全く違う!これはもはや奇跡だ!」
「こんなに素晴らしいものが世界にあったなんて!ああ、なんてことなの!」
「美味い。美味すぎる。それ以外に言葉が浮かばねえ」
異世界初のパウンドケーキを食べたイワンさんとアルベルトさんは涙を流さんばかりだ。てゆーかなんか崇める勢いだ。ジンさんも静かに感動している。
フレンチトーストもあげパンも、残り物のアレンジという一面が強かった。
けどクッキーとパウンドケーキは完全に新しい料理だからこそ、この反応なんだろうなぁ。
他の人達は食べたときにどんな反応をするんだろう。
今のところ笑い話で済んでるけど、スイーツをめぐって怪我人が出たのに、これが研究所の外に出たらいったいどんな騒動になるのか。
それを考えたら、少し恐くなってきた。
ただ自分が食べたくて、作りたくてスイーツをこの世界に持ち込んだ。
世界に存在しなかった知識が周囲に、世界にどんな影響を与えるのか。それを考えないといけなかった。
その事に今更ながら思い至った。
「ノア、どうした?」
「ジンしゃん…」
僕の様子に気づいたジンさんが顔を覗きこむ。
「ノアちゃん、どうしたの?」
「腹でも痛いのか?」
アルベルトさんもイワンさんも心配してくれてる。
スイーツ作りは楽しい。美味しいスイーツを皆で食べるのは楽しい。喜んでもらえるのも嬉しい。
なのに、スイーツ作りを恐いと思う日がくるなんて。
「大丈夫だノア。怖がらなくていい。言っただろう、俺がお前を守ると」
「ジンしゃん…」
ーーお前が、自分で自分の生き方を決められるようになるまで、俺がお前を守る。お前を傷つけたり、一人にしたりしない。約束するーー
そうだ、"自由"という名前を貰ったあの日、ジンさんは言ってくれた。
「そうよ、ノアちゃん。ジンだけじゃないわ、アタシも、イワンも、ニコラス所長もオリバー副所長も、ここにいる皆が、あなたを守るわ。だってアタシ達は家族だもの」
「そうだぞノア。お前を恐がらせるモンなんて俺が刻んで炒めて煮込んでやる!」
「アルねえしゃま…イワンしゃん…」
「だからノア、お前は笑ってろ」
そう言って笑うジンさんが、頼もしすぎて、かっこよすぎて、視界が滲む。
でも、ジンさんが笑えって言うから、僕は笑う。
きっと今はびっくりするくらいブサイクな顔なんだろう。
でも、僕を見るジンさんが、アルベルトさんが、イワンさんが笑ってるから、いいや。
分厚い焼き菓子は正義です。
ガブッと食べて牛乳をゴクッといくのが幸せです
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