ゆめかうつつか
う~んお腹空いた。
お腹いっぱいになると眠くなって、お腹空いたら目が覚めるなんて、子供ってこんなもんなの?
燃費悪すぎない?時代はエコだというのに。
そう思いながら目を開けてみると、部屋には誰もいなかった。
あれ?ジンさんもアルベルトさんもいないじゃない。
え嘘でしょ1人ぼっちとか怖いんですけど。夜の病室で1人きりとか完全にフラグでしょ、誰かー!
「おや、起こしてしまったかい?」
「ひょっ」
誰!?驚かせないでよ!心臓に悪いよ!シモにも悪いよ!よし、下着は無事だ!セーフ!やれやれ全く驚かすなよ。
どこの誰だと声のした方を見ればそこにはなんと
「サ、サンタしゃん…!」
白い髪に白い髭、ふくよかな体型に赤い服のおじいさんがいた。
こ、これはまごうことなきサンタさん!まさか実在したなんて!さすが異世界!
「おやおや、残念だが私はさんたしゃん?ではないよ」
あっさり否定されてしまった。
あの、もうちょっと引っ張ってくれてもよかったよ?子供には夢が必要なんですよ。あとご飯も。
「小さなお客さん、日が昇るのはまだ先だよ。もうしばらく眠っておいでなさい」
頭を撫でながら言うサンタさん(偽)の声に眠気がやってくる。お腹の虫も黙らせるなんてさすがサンタさん(偽)
布団の上からお腹をぽんぽんとたたかれる。
あ~それ、そのリズム最高。もうダメ。ぐぅ。
◇◇◇
「お戻りでしたか所長」
「ええ。何やら可愛いお客さんが来てると聞きましてね。顔を見るだけのつもりだったのですが起こしてしまいました」
「おや。何か話を?」
「いいえ、すぐに眠ってしまいました」
「ふむ、そうでしたか。とりあえず私の部屋でお茶にしましょう。用意してますので」
「ほっほっ。それはありがたい。ではお言葉に甘えましょう」
ジンさんとアルベルトさんは食堂に行ってイワンさんとお話中です。本日はちょっと短いお話で申し訳ありません。それでも読んでくださる皆様に感謝します。ありがとうございます。