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超人クラブ 先生のフィアンセ その11

弘明はポリポリと頭を掻いて吸っていた煙草の火を灰皿に擦り付けてもみ消した。

そしてダイニングテーブルの上にある紙にかかれた人物相関図を眺めて

深い深いため息をつく。


「はぁー、何だ。これは、

 正直どうすればいいのか、わからん」


養子にしたいと言った16歳の青年の家族構成は一見普通だ。

イギリスに住む両親と妹。

滞在先の日本のホストファミリーは県職員でなんら問題はない。


だが、実際の彼は、超能力研究所の中で生まれた。

菊留義之の前世、リアム・ローレンの遺伝子から作られた実験体だという。

なんらかの伝手でニューヨークマフィアの組織に居ることを強いられ、

日本に入国し、誠道会という暴力団に身柄を移されたうえで、交換留学生として

開成南高に転校してきたのだ。


自分の担当する生徒が拉致され助けに行った暴力団の根城で

彼もいっしょに連れてきた挙句、その彼を養子にしたいと義之は言う。


荒唐無稽な話に逡巡する。まったくこの友人は……。

いつもいつもとんでもない話を持ってくる。


「額面通りの戸籍であれば、弁護士プロ雇って2、3年でけりのつく

話かもしれないが」


そう言って弘明は二本目の煙草に火をつけた。


「2、3年って、そんなに長いんですか?彼が大人になってしまう」


「むしろ、大人になった方が早く手続きが終わると思うぞ。二十歳になって

 帰化申請すれば永住権を獲得できるし、子供とのマッチングの確認やら

 お前の身辺調査も必要ないだろう」

しょげた顔つきの義之を気にしながらも、さらに詳しく説明する。


「養子にするのが子供の場合、

 人身売買を警戒してどこの政府も規制をかけて厳しくしてるからな。

 日本では、六歳未満の子供でない場合、永住資格を貰えないし、

 戸籍を持ってる政府の許可や、日本の家庭裁判所の許可も必要になってくる」


紫煙漂う殺風景な部屋の中で気まずい沈黙が流れた。


「だが、それも通常であればの話だ。

 素性が定かでない場合はどうすればいいのか、さっぱり見当がつかん。

 第一、パスポートやビザはどうなって……。」

そこまで言って弘明は何か思いついたように言葉を切った。


「そうだ。パスポート。菊留

 お前のチートな能力で彼のパスポートとビザ手に入れてこい。

 ついでにそれを手続きした奴を敵のアジトから拉致してこい。

 話はそれからだ」

「物騒な事いいますね。チートって言わないで下さいよ。そんな便利な力じゃありません。」


彼はいつも義之の超能力をチートな能力だと言う。

だが実際の世俗の困り事にはなんの効力もない事を知っている。


手順を踏まなければならないことは山ほどある。


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