51.1人でもできる。
―転生から半年
「ぐぁぁぁ」
森の奥から耳を塞ぎたくなるほどの叫び声が聞こえた。
その声の主は、人間ではなく、魔獣だ。
猪のような姿をした魔獣。
その野獣の前に恐れずたっている女の子がいた。
「あんたらのせいで」
「私の正体がバレたんだからね」
怒りを魔獣に向ける女の子。
日に焼けて茶色味がかった、ポニーテールが風に揺られ
細いが筋肉もついている足を肩の分だけ広げ、右手を横へと突き出す。
そうその女の子は花である。
「植物魔法」
「絡蔦締め」
花は、中級魔法を唱えた。
花の右手から伸びてきたのは、つるだった。
そのつるは、魔獣へと伸びて行った。
ものすごいスピードで、
「ぐぅぅぐぁぁ」
魔獣は自分の体にまとわりついてくるつるをはらおうと、口を使って噛んでみるが逆効果、
つるは、魔獣の口では届かない場所を狙い伸びてくる。
「よし、」
花は、自分の勝利を確信したように笑った。
しゅるしゅるる、
―つるは、完全に魔獣を捕らえた。
そう思った瞬間、
ぎゅうぎゅうう
「ぐ、ぐぁぁぁぁ」
つるは、思いっきり魔獣を締め付けた。
魔獣は、息ができていないのだろうか、暴れる。
「きゃっ、」
花は、魔獣が暴れて蹴った砂が、かかったようで自分の黒い服をはらっていた。
「ぐ、ぐ、」
魔獣は、どんどん力を失っていくようにフラフラとして行った。
そして、
ドンッ
倒れてしまった。
「で、できたわ!」
花は、初めて大きな魔獣を自分だけの力で倒せたことに喜んでいた。
「ざ、残酷だな。」
影で見ていた蓮が出できて言った。
たしかに、花のあの魔法は少しばかり苦しそうで残虐だ。
「でも、殺してはないのよ」
花は、自分に言い聞かせるように言った。
そう、魔石を貰うから結局この魔獣の肉体は土へと帰るが、
「俺、最後がこの魔法だったら呪ってやる」
蓮は、恐ろしいと肩を震わせていた。
「あんたも、結局同じことやるんでしょうが」
花は、少し罪悪感を感じながら言った。
「そうだけどよ」
蓮は、言い返せなかった。
「ほら、さっさと魔石を取れ」
またまた、見ていた司が指示を出した。
「分かってるわよ」
魔獣が再び目を覚ます前に花は魔獣の額にある、魔石を慣れた手つきで取った。
最初はスライムを、倒していたがさすがに儲からず、大きな魔獣を最近は倒していた。
「よし、次行くわよ」
ここまで読んでくださってありがとうございます。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




