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38.恐ろしいほどの力〜仲間か、敵か〜

屋根の上にたっていた謎の人の目線の先は、何故か騎士団ではなく5人の方だった。

マントがあるから分かりづらいが体のライン的に女性だろう。


「降りてきなさい」


騎士団のリーダーらしき男が言った。


そこでようやく謎の女は騎士団の方へと見た。


ーーバサッ


謎の女は顔が見えないようにか、フードを掴みながら。

あっさり降りてきたことに騎士団は、剣を構えた。


ーートンッ


あまりにも軽い着地音に思わず人間なのか疑ってしまった。謎の女は、5人に背を向けて前の騎士団との間に来た。


守ってくれている?


その謎の女は騎士団のように剣などの武器は、持っていなかった。


「危ないですよ,,,」


花がそう謎の女に言ったが、振り返ることもなくただ、騎士団の方を静かに睨んでいた。


謎の女は右腕を下から上に持ち上げるような動きをした。次の瞬間、地面が細かく揺れ始めた。どんどん激しくなってくる。


「な、何?」


夢描は、怯える声で言った。


その時、謎の女の右腕が一瞬だけ止まったように感じた。


「何をする気です?」


相変わらず気色の悪い笑みを浮かべているがその声は少し焦りを出していた。


もちろん謎の女は、答えるはずがなかった。


ただ地面は謎の女の腕の動きと連動するようにどんどん揺れが増していった。


―次の瞬間


「うわぁ!?」


地面に走った亀裂から触手のような植物が騎士団の体にまとわりついていた。

その触手はどんどんときつくきつく締め付けた。


「く、くるしぃ」


騎士団は息が上手くできていないのだろうか。あの触手から感じる殺意、迷いが一切なかった。


「離せっ」


騎士団は、みるみるうちに空中へと連れていかれている。まるで、5人が逃げる道を作るために。


「に、逃げよう」


蛍が夢描の腕を掴みながら言った。


5人はその場から逃げた。

後ろから騎士団が追いかけてくることはなかった。ただ、謎の女はフードの下からこちらを覗いていることはわかった。


――――――

「はぁ....はぁ...」

「もう...大丈夫...だよね?」


できるだけ遠くに走った。

後ろから誰かがける気配もない。


「良かったぁ」

「終わったと思ったぁ」


蓮が右手を壁にくっつけて息を整えた。


「あっ!」


夢描が、どこかを見て明るい声を発した。

その目線の先には陽葵がいた。

陽葵は、少し小走りになりながら5人の所へと来た。


「なんか、」

「謎の女の人に助けて貰ってさ」

「逃げれた」


陽葵も、5人と同様に謎の女の人に助けられていたらしい。どこか、陽葵が落ち込んでいるような雰囲気がした。


「陽葵も?」


「えっ?」


5人は事の詳細を陽葵に教えた。


「私も、助けてくれた人は」

「植物魔法を使ってた...」


どうやら、同じような時間で同じ人に助けられたようだ?


「そんなこと出来んのか?」


「でも私のところは騎士の数が3人ぐらいですぐに倒した後にその女の人どっかに行っちゃったから」


陽葵を助けたあとに5人を助けに来てくれたのか。仲間?


「今は、断定するのは難しいだろ。」


司の言う通り今仲間だと信じるのは危ない。

しかも、あんなに強い力。


「とりあえず」

「帰ってみんなに説明しよう。」


6人は地下へと帰ることにした。


──────

「おかえりなさい」


6人は無事に帰ったあとさっきの出来事を全て話した。


「そんな、」


ついにという絶望にさいなまれていた。


「だからさ」

「もう戦おうよ」


花?ついさっきまで怖がっていたはずの花が、何故か今はやる気に満ちている。いや、

満ち溢れすぎていた。


「さっきはさ、私たちの数が少なかったから」「ダメだったけど」「大人数で行けば!」


あの時は、あの女の人が居たから助かったが2度目があるとも限らない。それなのにどうして花はこんなにも焦っているのだろうか。

()()()()()()()()()()()()()()()()


「もういいよ」

「花」


ただ低い陽葵の声がこの部屋に響いた。

第38話をご覧くださりありがとうございます!!次回もぜひ見ていってください!!見てくださったら嬉しいです!!

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