23.暴走
「次は...」
「草木」
司は、少し考えたあと花を指名した。
花は、緊張しているように手を強く握っていた。
「お前は、植物魔法だな」
「まずは、これを育てろ」
そう言って司は自分のポケットからさっき見本で見れた時の種を見せた。
「そんなこと出来るの?」
空は考えながら言った。
ここには、水もなければ土も太陽の光も当たらない。植物が育つとは考えにくかった。
「出来る」
司はキッパリと言った。
「わかった」
花は司から種を受け取り
自分の両手で優しく持った。
そして、花はゆっくりと目を閉じた。
魔力を体全体に巡らせる―
「植物魔法」
ぽわぁん
花の体が綺麗な光に包まれた。
「育成」
花の手から緑色の光が溢れ出てきた。
その光は種の周りを踊るように動いた。
プック...ニュルゥゥ
花が魔法を唱えた瞬間
種から、緑色の芽が出た。
成功した。
みんなは自分の事のように喜んでいる。
だが、
ゴゴゴ...メキメキッ
種から出た芽は、止まることを知らなかった。どんどんどんどんでかくなっていった。
そして、植物は自分たちと同じぐらいの大きさになった。
シュルシュル
植物は、伸びた根っこのような部分が
右、左と動いている。
まるで自我があるように。
「きゃぁぁぁ」
植物は伸びた根っこで狙ったのは近くにいた
花だった。
花は突然の出来事で目をつぶりどうすることも出来なかった。
「花っ」
誰よりも先に花を助けに前へ立ったのは陽葵だった。大きく腕を広げて花を守るようにした。
でも、陽葵は魔法が使えない。
陽葵もまた目をぎゅっと強く閉じた。
その時
「氷魔法」
「凍封」
陽葵の前に立っていたのは司だった。
そして、植物は司の魔法のおかげで固まっていた。
「司ぁ」
陽葵は、安心したのかその場で崩れ落ちた。
「陽葵」
「無茶しちゃダメだろ」
司は少し怒ったような口調で言った。
陽葵は「ごめん」と反省していた。
「うぅ」
「花?」
陽葵は、花のそばに駆け寄た。
花は、頭を抱えて辛そうにしていた。
「魔力切れだ。」
「魔力を使いすぎたんだろ」
「そのうち治る」
司がそう言った。
たしかに、初心者にしてはあの魔法は凄すぎた。魔力がなくなってもおかしくない。
「私、大丈夫かな?」
さっきの出来事を見ていた、みんなは自分も同じことが起きないか不安になってしまった。それを察した慎さんが
「今日はもうおしまいにしましょう」
そう言ってくれた。
正直安心した。
帰りも行きと同じように魔法陣の中に入り慎が魔法を唱えた。
シュンッ
──────
「くぅぅ」
「疲れたぁ」
蓮は腕をのばしながら言った。
「慎さん」
「この世界についてもう少し詳しく教えてくれませんか?」
空は、聞いた。
たしかにまだこの世界について情報が少ない。
これからこの国と戦うのには。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




