22.魔法のはじまりの合図
「俺が見本を見せる」
司がそう言ったあと。
右手をすっと前に出したその手には2粒の種があった。
そして、司は静かに呟いた。
「風魔法」
ぽわぁん
小さく鈴音のような音が確かに司の手元から聞こえた。
「風繭」
司がそう呟いたあと、
ふわっと優しい風が種の周りをふいた。
そして、種はまるで生きているかのように空中へと浮かんだ。
「おぉ...」
魔法らしい魔法を初めて見た蓮は、目を飛び出すほどに驚いていた。
「解除」
司がそう言うと、
空中に浮いていた種はすっと魂が抜けたように司の手の中へと戻っていった。
「これは、初級魔法だ」
「これをやってもらう」
初級魔法は、そのままの言葉通り。
魔法にはいくつかのレベルがあるようで初期魔法、中級魔法、上級魔法、最上級魔法があるらしい。
そして、私たちのレベルでは初級魔法を使うのが精一杯だという。
「まず蓮やってみろ」
司が蓮を指名した。
蓮は「よしっ!」と気合を入れて司の方へと近づいた。
「お前の固有魔法は雷だったな」
司は淡々と蓮に言った。
それと対照的に蓮は、「おう!」と元気よく答えていた。
「ステータスの下の方に」
「今お前が使える魔法の技が書いているはずだ。」
蓮は、自分のステータスを開いた。
だが、蓮の使える魔法は私たちには見ることが出来なかった。
「真雷?」
「トゥルーサンダー?」
どうやら使える技は、本人にしか見ることができないらしい。
「それを使えるようにしろ」
司が簡単に言ってのけたが、
蓮は、半笑いをしながら「無理だろ」って言った。
「さっきの体全体に魔力を巡らせたのを思い出せ」
「そして、その魔力を手に移動させるのを意識しろ」
蓮は、ちょっと戸惑いながらも目をつぶって集中をした。
「雷魔法」
ぽわぁん
蓮が呟いた瞬間。
蓮の体を優しく暖かい光が包み込んだ。
魔法のはじまりの合図だ。
「真雷」
蓮は少しカッコつけながら言った。
バチッ
蓮の右手からいきなり目に見える電気が流れた。
「いったぁ」
蓮はびっくりして右手を下げた。
今のはまるで静電気が起きたみたいだった。
「今のは失敗だな」
司は魔法は使えていたが制御することができていないと言った。
「もう少し集中しろ」
「次だ」
蓮は不貞腐れながらみんなの元へと帰って行った。
「楓来い。」
次に楓を呼んだ。
楓は、唾を飲み込み前へと出た。
「お前は呪魔法だな」
楓は、こくりと頷いた。
「呪魔法は、ほかの魔法に比べて制御が難しい」
「ゆっくり焦らずやれよ」
司は、楓に言った。
「わかった」楓は、司の言葉を心に刻むように言った。
そして、楓は蓮の時のように集中をした。
魔力は手に移動させる。
今だと思った時に楓はそっと呟いた。
「呪魔法」
、、、、
蓮のように楓の体の周り光が出るはずだが。
いつになっても楓からは、光が出なかった。
「止まれ」
司は楓に合図した。
「なんでだ?」
楓は、もう一度自分のステータスを確認した。そして、深呼吸をした後。
「呪魔法」
、、、、
今度はさっきよりも大きな声でしっかりと言ったはずなのに。
変化はなかった。
「これもバグでしょうか?」
慎さんも困ったように言った。
結局楓は、何度やっても結果は一緒だった。
そしえ楓も、陽葵と一緒に見学することになった。
「ようこそ」
仲間だねというように
陽葵は、ふふっと笑った
「くそっ」
ここまで読んでくださってありがとうございます。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




