21.まずは...肩慣らし
「でも、」
「どこでやるんですか?」
空が慎さんの話を聞いて辺りを見回した。
「ここですよ」
慎さんが指を刺したのは
まさに私たちがたっているカーペットを敷いた床だった。
「?」がみんなの顔に現れていた。
「床ですか?」
蓮が慎さんに問いかけた。
慎さんは、こくりと頷いた。
「少しよろしいでしょうか?」
慎さんはみんなをカーペットから離れるように指示をした。
慎さんゆっくりとカーペットを丸めようとしていたため、蓮や直人などが手伝った。
「これって、、」
カーペットをまくっていた蓮が床を見て驚いた。
「絵?」
床に書かれていたのは円の中にたくさんの文字?や複雑な模様がびっしりと書かれていた。
「これは、魔法陣と言います。」
「ここから、訓練場へと行きますよ。」
その絵は魔法陣と言うらい。
元いた世界から異世界に飛ばされる時も確か教室の床に同じようなものがあったのを思い出した。
慎さんは、今度その魔法陣の中にみんなが入るように指示をした。
「転移」
慎さんが、優しい声でそっとそう呟いた瞬間。
床の魔法陣はゆっくりけれどたしかに暖かく光り輝き出した。思わず目をつぶってしまうほど明るく
「またかよぉ」
そう言えば転生してくる時も眩しかったななんて思い出していると。
閉じている目の隙間から降り注いでいたはずの光を感じなくなりそっと目を開けた。
そこには石造りの部屋があった。
大きさは、体育館より少し小さいぐらいだった。
「ひろっ!?」
透が想像していた大きさよりも広く驚いていた。
ここは、さっきまでいた空間よりは少し冷たい雰囲気がした。そして、所々には人間を見立てた人形のようなものがたっていた。
「それでは、」
「始めましょうか」
慎さんと司が、みんなの前にたって言った。
「まずは、」
「魔力を体に循環させるイメージを掴みましょう。」
魔力を循環させる?
そう思いながらもみんなは目をつぶり魔力に集中した。
、、、
「いや、分かるわけねぇだろ」
蓮の大きな声にびっくりしたみんなは思わず目を見開いた。
「蓮うるさいわよ」
花はびっくりさせられたことを少し怒りながら言った。でも、確かに魔力というもの自体最近初めて知ったのに、やってみようはハードルが高かった。
「魔力を暖かいスープに例えてみれば?」
魔法を使えないので見学をしていた陽葵ができないと困っているみんなを見て言った。
「暖かいスープ?」
「うん」
「寒い時に暖かいスープ飲むとさ」
「お腹あたりがじんわり暖かいなって思うじゃん」
「その感覚を思い出しながらやってみれば?その感覚が、魔力が全身を巡るのに似てるんじゃい?」
陽葵は、そう言ったあとに「分かんないけど」と付け加えた。
なるほどとみんなは暖かいスープを飲んでいた時のことを思い出しながらもう一度やってみた。
体の中がとても暖かく何故か少し幸せな気持ちになった。そして、胸の奥の方からぽっと火がともされるような感覚があった。
ぽわぁん
「おっ!」
みんなの体がうっすらと輝いていた。
どうやらできたらしい。
「皆さん優秀な方ばかりですね」
「あなたのお名前は?」
慎さんは、こんなにも早くで来ると思っていなかったらしく驚いていた。
慎さんが陽葵の説明を聞いて名前を聞いた。
「陽葵です。」
陽葵は少し緊張した様子で言った。
慎さんは、にこっと笑いながら「そうですか」と言った。
「次は、」
「魔法を使いましょう」
ここまで読んでくださってありがとうございます。
次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。




