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121/122

121.ポスターの意味〜花でも知らなかったこと〜

「そうかい」

「それは、お疲れ様だね」


なんとか、お婆さんには騙せたらしい。

心は痛むが仕方がない。


「この張り紙はね」

「インディスト王国で」

「1番大きなお祭りについてだね」


なるほど

確かによく見れば


『我が国の王』

『千国王の即位された日』

『天契祭』


そう書かれた文字の隣に万遍の笑みを浮かべた天龍様がいるポスターだった。


なぜだろうか

胡散臭いな。


「天契祭?」


花は、何故かピンと来てなかった。

千国王が、即位したのは私たちが産まれる前だから

天契祭は、昔からあったはずなのでは?

それなのに、なぜ花は知らないような顔をしたのか。


「あの、もしかしたらなんですけど」

「このお祭りの名前」

「変わりましたか?」


お婆さんに聞いた。


「そうだよ」

「4年前ぐらいかなぁ」

「急に王様から直々にね」

「即位祭が天契祭に変えるって言われたんだよ」


―4年前


「私があっちの世界に行ったぐらいの時か」


花がボソッと言った。


だから、花も名前が変わったことには知らなかったのか。


「でも、なんで名前が変わったんですか?」


今度は、陽葵が質問をした。


「それがねぇ」

「私も分からないのよね」


お婆さんが困った顔を見せた。


「えっ!」

「王様は、教えてくれなかったんですか?」


「そうなんだよね」

「変えるだけ言ってその後は」

「何も言ってくれなかったみたいだよ」


なんと、わがままな王様なんだろう。


「...天契祭」


──────

「あと、もうひとつ質問いいですか?」


空が言った。


「もちろん」


「このポスターになんで」

「天龍様が描かれているんですか?」


それは、みんなが気になっていた。


「それはね」

「...」


ごくん


「分からないんだよ」


ずこぉぉぉぉ


なぜ1回ためたのだろうか

すごい秘密があるのかとドキマギしてしまった。


「分からないんですか?」


「そうなんだよ」

「それに、」

「天龍様は、体が弱いだろ」

「だから、私たちは顔すら何年も見ていないから」

「顔が分からないんだよ」

「だから、この絵を見ると天龍様は」

「こんな顔なんだなぁ」

「としか思えないんだよね」


お婆さんが、そう言った。


「って、ことは」

「毎年、天契祭のポスターには」

「天龍様のお顔が描かれてるんですか?」


「そうだよ」

「それにね」

「年を重ねる毎に」

「しっかりお顔を変わってるんだよ」


そんな、ことまでポスターに力を入れているのか。

しかも、周りの文字とは似つかわしいくらいに絵がリアルだ。

ポスターに使う絵とは思えないほどに。


でも、なんだろう。


今までのお婆さんの話や

描かれている天龍様の顔をみると


この国の王族である王女様というよりも


―まるで指名手配犯のようだな。

ここまで読んでくださってありがとうございます。

次回も、少しだけこの世界に付き合ってもらえたら嬉しいです。

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