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覇王竜は暇を潰す  作者: コミネカズキ
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女心と俺心

女心は難しい……。、三百数十年生きてきた俺だが、未だに女心はよくわからない。と言うか人間の女となんかほとんど関わってこなかったのだから解るはずがないのだ。


俺が生まれてから、勇者ナイトが地上世界アースグランドの俺の一族の城を訪れるまでは箱入り息子の様な生活だったし、大魔王討伐後は俺より強い奴を求めて喧嘩三昧の脳筋生活だった。

最近じゃ魔王に祭り上げられ女どころか男もロクに近づいて来ない。まあパーちゃんみたいな例外もいるが……。

見合いの話も有るには有ったが、俺の美的センスに魔物のメスは全くそぐわなかった。

自分の本来の姿ですら好きではないのに魔獣や悪魔やましてやゾンビを嫁にする気にはとてもならない。


アルトに出会って気が付いたのだが、やはり俺は姿形的には人間の女が好みらしい。

エメラルド姫の時は姿形以前の問題で気がつかなかったが……。


さて、女心が解らない事も問題だが、もっと重大な問題が生じている。

それは【自分の心が解らない】事だ。

俺はアルトをどう思っているのだろうか?

俺にとってのアルトはなんなんだろうか?

少し前までは、【未来の喧嘩相手】……そして【弟子の勇者】だった……と思う。

今は…よくわからない。

フルムーン・ド・エメラルド姫の一件を聞いて怒り出したアイツを観て何故だかわからないがメチャクチャ焦った。

牙翼(ガヨク)側につかれた事にムチャクチャイラついた。

一生懸命向かってくる姿が微笑ましくて……誇らしくて……でも何故か傷つけてはいけない気がして、色々手を抜いてしまった。

最後に倒れ掛かってきたあいつを……何で俺は抱きしめたんだ??何で謝った??

俺は最強の生物【覇王竜】だぞ???


何の気なしにパーデスに疑問を投げかけてみると、初めてはビックリした様な顔になり、次第にニヤニヤし始め、最終的にドヤ顔でこう言った。


「ハーさん、それは間違いなく恋ですよ!ハーさんはアルトさんの事が好きなんです!!」


ドヤ顔が心底ムカつく。

今直ぐ上級魔法を喰らわして吹き飛ばしてやりたい衝動をグッとこらえ続きを聞く。


「好きな子に姫の事がバレだから焦って、好きな子が敵対したから独占欲を感じて、好きな子が頑張ってるから感動したんですよ〜!しっかしまさかハーさんがねぇ〜、ヒューヒュー♬」


口笛が吹けないのかパーデスはハッキリした発音で俺を冷やかしてきた。

はい、限界。

俺は相談に乗ってくれた気さくなパーちゃんにお礼の気持ちを込めてこう言った。


覇王竜撃波(はおうりゅうげきは)!!」


「ウソーーーン!!ギャーーース!!」


死ねアホ!!吹き飛んでいくパーデスを見送りながら再び思案する。

うーむ……ぐぬぬ。。


数時間後、魔力と気力が回復し目を覚ましたアルトに俺はこう言った。


「保留だ!!!」


キョトンとするアルト。


「取り敢えず現状維持だ!!!」


何かを察したのかアルトの顔が真っ赤になった。そして


「そ、その保留は……いつまでですか!?」


思わぬ反撃に一瞬口籠る。頑張れ俺!!


「勇者ナイトの武具を集めてさらに修行して納得が行く強さになったら…俺と本気で戦え。俺が負けたら……俺をお前の好きにしろ。お前が負けたら……俺の言う事を一つきけ。」


何とも言えない表情をするアルト。数秒の後……


「解りました。絶対に負けません!」


地下世界……月の世界にいるに、とびっきりの太陽みたいな表情で言ったのだった。




こうして、俺とアルトのイザコザは一旦の収縮をみせた。

真月の盾を回収し洞窟を出ようとした時、不意に行く手を阻む人影一つ。フルムーン・ド・エメラルド姫 だ。


「ふっ、今回の事で解ったことが二つ有りますわ!一つは、貴方が!私と覇王竜様の愛を阻む最大の障害だと言う事!」


ビシッ!とアルトを指差し決めポーズをしている。


「そうしてもう一つは……」


この辺りでウザくなり、爆破魔法を放つ俺。


「バクマ!」


チュドーン!

クルクル回りながら壁に激突する姫


「ハラホロヒレハレ……」


マジで頑丈だな。

慌てて駆け寄ってくる自称姫の騎士である牙翼。

何か文句を言いそうだったので先に


「姫がもう一つ気がついたのは、お前の愛じゃねーか?しっかり護ってやるんだぜ!」


と言ってやった。無論、適当である。

しかし、それを聞いて牙翼は


「は……はい!!命に代えてもっ!!」


と、最高の笑顔で答えたのだった。こいつの笑顔は心底どうでもいいな〜。


洞窟から出るとあたりはすっかり夕闇に包まれていた。もう後の八つ刻を回っているみたいだ。

真月の盾で殴られ顔が軽く晴れている俺、戦いでボロボロのアルトと赤竜、誰とも戦ってないに何故かボロボロのパーデス…うん、俺が吹き飛ばしたんだけど。

なんだか皆凄い格好だ。


「あ、そう言えばハーさん、常闇のマント借りっぱなしでしたね。返します」


「いや、着ておけ。次に手に入れに行くナイトの鎧までの繋ぎになるだろ。それに…」


「それに?」


下着に革の鎧のビキニアーマー状態は目の毒だ……と言うセリフを俺はグッと飲み込んだ。


「何でもねーよ!」


走り出す俺


「ちょ、気になりますよ!何なんですかー!!」


追いかけて来るアルト。


パーデスがポツリと呟く。


「……何なんすか……この茶番……。」


ホント……なんなんだろーね……。


つづく……。

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