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覇王竜は暇を潰す  作者: コミネカズキ
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覇王竜と囚われの姫君

その日も俺・覇王竜はこれと言ってやることも無く、かと言って歯向かってくる気骨のあるヤツも居ないのでいつもの様に暇を持て余しまくり魔王ルームの絨毯の上を右に左にゴロゴロしていた。


「ヒマ~ヒマだ~。あー暇だ~。ヒマヒマ!オブtheyear受賞!…あーヒマ~ヒマ~…ヒマラヤ~ヒ マラヤ山脈!」


そう呟いた瞬間、魔王ルームの扉が開いた。

開いた扉の先で凍りついたように固まる赤竜。


「ねー。もしかして今の聞いてた?」


一瞬ビクッとなる赤竜。


「き、聞いておりません。」


「ふーん。だよねー。もし聞かれてたら…」


「き、聞かれてたら…?」


「いや、聞かれてないなら問題ないよ~。ヒマラヤ…じゃなくて赤竜。」


またビクッとなる赤竜。コイツ、聞いてたな。。。まあいいかw


「で、何の用だよ?なにか暇が潰れるネタでもあるのか?」


「あ、いや実は、自称覇王竜様の部下の魔王軍の魔物達が人間の姫を…攫って来てしまいまして。。」


「ああ?マジかよめんどくせーな。人間の女なんか攫ってきてどーすんだよ?ギャーギャーうるせーだけだろ!そもそも人質とって交渉するような戦況でもないのになんで攫ったんだそいつら?」


「いや、なにやらノリでやったみたいです。魔王軍っポイし姫でも攫うか的な…。」


「あのナンチャッテ魔王軍どもめ!!!」


どうも俺を魔王に祭り上げた魔物連中は当時の…300年前の大魔王軍に憧れてる奴らの集まりの様で、、、なにかに付けては魔王軍ポさを求めて行動を起こそうとする。非常にウザイ。


「まあともあれ姫とか面倒臭い!!お帰り頂け!!」


「それが、その女どうしても覇王竜様に会わせろ!会って一言文句を言うまで帰らない!と駄々を捏ね続けており、帰ってくれないのです。」


「は?何で俺が人間の女なんかにいちいち会わなきゃならないんだよ!どうせオ〇サーの姫とかだろ!?自称姫だろ!?」


「いやーそれが…フルムーン国の姫でして…」


「えーーー!?なんで!?なんで下っ端のナンチャッテ魔王軍に自国の大事な姫攫われててんの!?ボンクラ?ボンクラなのフルムーン城の奴ら!!」


「なんやかんや魔王軍、かなり人間滅ぼしまくっちゃってますからね。軍が疲弊しきってるのではないかと。ともかく、フルムーン姫にお帰り頂くためにも1度お会いになって下さい。」


余り乗り気ではなかったのだが、もしかすると少しは暇つぶしになるかもなー…などと思って気まぐれに会いに行ったのが運のつきだった。



「貴方が覇王竜とか言う魔王気取りの不埒者(ふらちもの)ですか!私は!由緒正しきフルムーン国10代目国王ナイト10世の娘、フルムーン・ド・エメラルドであります不埒者(ふらちもの)!この姫である私を拉致監禁しようとは神をも恐れぬ滞在ですわ不埒者!死ね不埒者!」


会いに行くなり怒涛の怒号と罵声である。

コイツが…姫?マジかよ~。

唖然としている俺に向かいツカツカと歩み寄って来るフルムーン姫。


「一刻の姫を前にして顔を見せぬとは無礼者の不埒者め!!その小汚いフードを脱ぎなさい不埒者!!」


語尾不埒者姫はそう言うと俺の着ているローブのフードを払い除けた。

俺の目と姫の目が合う。その瞬間…姫の顔は真っ赤になり、なにやら頭から蒸気の様なものを出して膝を落とした。


「デ…デデデ…」


ででで?何やら姫の様子がおかしい。

いや、初めから様子…とゆうか頭はおかしかったんだが、おかしさの方向性が変わった。不審に思いのぞき込むと突然姫は跳ね上がりながら奇声を上げた。


「ディスティニーーーーーーっ!!!う!ん!め!い!運命の殿方キターーーー!!!」


理解が追いつかない俺を置き去りにして気の狂った姫は叫び続ける。


「鋭い目つき!切れ長の顔!引き締まった中にも力強さを感じるボディー!!荒々しい頭髪!!全てがジャスト!ジャストドストライク!!バッターアウト!!私三者凡退!!!あーー神様!月の女神ルナティック様!今日の出会いに、感謝致します!攫ってきてくれてありがとう不埒者の魔物達!!さあ覇王竜様っ!攫ったからには責任をとってください!婚儀は!?式はいつですか!?」


「カゼマっ!!!」


俺は今までに味わった事の無い言いようの無い恐怖に駆られ、思わず風系魔法で姫をぶっ飛ばした。


「愛が痛いっ!!」


訳の分からないことを口走りながら姫は三回転くらいして地面に転がり気絶した。


「……えっと……とりあえずコイツが2度と俺の前に出てこないように…監禁しておいてもらえるかな…。」


こうして毒舌不埒者キ〇ガイ姫 フルムーン・ド・エメラルドはマナカの洞窟に監禁投獄されたのだった。

今から1年ほど前の出来事である。


そして時は流れ現在。

俺は勇者アルト 大魔神官パーデス 執事の赤竜を連れ再びフルムーン姫と対峙していた。伝説の[新月の盾]、、、今は姫のカレー皿ww…を手に入れる為である。

姫の隣には自称フルムーン姫の騎士・見張り番のワイバーンである牙翼(がよく)君が控えている。


「1年間お待ちしておりました覇王竜様、この日の為の花嫁修業は完璧にこなしました!さあ、いまこそ式を上げる時!私を貴方様の妻に迎えてくださいませ!!夫婦の力で共に人間共の世界を恐怖のズンドコ…もといドン底に突き落としてやりましょう!!!」


…わあ~悪化してる~。

この人一応人間の姫だよね?もう魔王の妻モードに入っちゃってるよ。

フルムーン国王ナイト10世がこの1年間全く姫を探そうとしないのが何となくうなずけてしまう。


「さあさあさあ!さっそく契の接吻をっ!そいやーっ!」


「カゼマっ!!」


ルパンみたいなポーズで飛び込んでくる姫に俺は反射的に呪文を唱えていた。

三回転くらいして壁にぶつかる姫。


「あ、愛が痛いっ!!」


しかしコイツも大概頑丈だなー。

それにしてもさっきからアルトが突き刺す様な視線で俺を見てくるのが気になる。

多分誤解してるんだろーなー。どうやって弁解しようか?てかなんでアルトに弁解しなくちゃならないんだ?

などと自分の中に湧き上がる疑問に試行錯誤していると突然脇から牙翼の喧しい声が聴こえてきた。


「わ、我が超絶可愛いフルムーン姫の純情を玩びその上DV行為まで…何という女たらし!何という人間のクズ!」


いやドラゴンだけど。


「もうこうなったら俺と決闘してください!覇王竜様!もし俺が負けたら新月の盾も姫もお譲りします、しかし!もし俺が勝ったら!ひ、ひひ…姫は!姫は俺がもらいます!!」


いやー姫はやるから盾だけとっととくれねーかな?と言い返そうと思った矢先、思わぬ所から思わぬ声が上がった。


「牙翼さん!共感しました!僕も一緒に戦います!」


…え?ちょ!?アルトさん!?!?


「あの女の敵のスケベ竜を一緒に懲らしめてやりましょう!!!」


どうしてこーーーなったああああっ!?

…つづく。


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