人物紹介
◆◆◆ ヨアヒム・フォン・シュヴァルツ ◆◆◆
本作の主人公。二十歳。シュヴァルツ男爵家の嫡男。
病床の父に代わり、八つの村、約四千人が暮らすシュヴァルツ領の領主代行を務めている。
――というのは、物語が始まる直前までの話。
物語開始後の中身は二十一世紀の日本で暮らしていた三十代前半の元会社員。
ヨアヒムとして過ごした二十年間の記憶はないが、馬術や剣術、読み書きなど、身体に染みついた技能は残っている。
できれば頑張らず、楽をして生きたい。
しかし元のヨアヒムがあまりにも優秀だったため、その仕事と信用を引き継ぐ羽目になる。
◆◆◆ ヨハンナ・フォン・シュヴァルツ ◆◆◆
十八歳。ヨアヒムの妻。
長い銀髪を持つ美しい女性。
若くしてシュヴァルツ家の家政を任され、屋敷の使用人や支出についてもしっかり把握している。
記憶を失ったヨアヒムに戸惑いながらも、彼を支えようとする。
◆◆◆ ゼバスティアン ◆◆◆
五十五歳。シュヴァルツ家の執事。
長年シュヴァルツ家に仕えているベテラン。
現在は家政よりも、領主代行を務めるヨアヒムの政務補佐や秘書役を担うことが多い。
礼儀正しく生真面目。
記憶を失い、この世界の常識すらわからないヨアヒムにとって、最も頼りになる相談相手の一人。
◆◆◆ コンラート ◆◆◆
四十代。シュヴァルツ家に仕える騎士。
大柄な武人で、ヨアヒムの剣術や馬術の鍛錬を担当する。
口数はそれほど多くないが経験豊富。
領地のことから人付き合いまで、若いヨアヒムを年長者として支えている。
◆◆◆ ハンス ◆◆◆
二十一歳。ヨアヒムの乳兄弟にして従士。
幼い頃からヨアヒムとともに育ったため、主従でありながら比較的くだけた関係。
遠慮のない物言いをすることもあるが、ヨアヒムへの忠誠と親愛は強い。
領主代行として忙しく働くヨアヒムに付き従い、用水路工事の現場をはじめ、さまざまな場所で主人公を支える。
◆◆◆ ミヒャエル ◆◆◆
シュヴァルツ領に仕える筆頭官僚。
裁判、会計、各村からの報告など、領地の実務を担当する。
真面目な実務家で、特に金や行政に関しては厳しい。
ヨアヒムが思いつきで何かを始めようとすると、現実的な問題を指摘する役になることも多い。
◆◆◆ ペーター ◆◆◆
十五歳。ドゥニン村に暮らす少年。
用水路工事でヨアヒムの測量を手伝っている。
まだ幼さの残る少年だが、測量についてはすでに実地経験を積んでいる。
記憶を失い、測量のやり方すらわからなくなったヨアヒムにとって、非常にありがたい存在。
◆◆◆ エーファ ◆◆◆
フェルン村に暮らす女性。鍛冶屋ヤコブの妻。
木皿や椀、匙などの木工を得意としており、村人たちが試作した品の中でも、彼女の作ったものだけは際立って仕上がりが良い。
ヨアヒムからその腕を見込まれ、木工について相談されるようになる。
◆◆◆ フリードリヒ・フォン・シュヴァルツ ◆◆◆
シュヴァルツ男爵。ヨアヒムの父。
病のため領地経営から退き、息子ヨアヒムへ領主代行を任せている。
ヨアヒムにとっては父親でありながら、記憶を失ったため思い出が一つもない相手でもある。
◆◆◆ カール・エンゲル ◆◆◆
シュヴァルツ領の隣にあるエンゲル男爵領の領主。
身体も声も大きい豪快な人物。
シュヴァルツ家とは長年複雑な関係にあったが、元のヨアヒムとは交渉を重ね、個人的にはかなり気に入っていたらしい。
ヨアヒムには、その肝心の記憶がない。
◆◆◆ ハインリヒ・ホフマン ◆◆◆
ホフマン商会当主の三男。
シュヴァルツ領でも商売をしており、男爵家とは用水路工事の融資を通じても関わりがある。
商人らしく商品の出来や採算を見る目は厳しく、ヨアヒムが進める領内の産業振興にも関わっていく。
◆◆◆ ゲオルク・フォン・ヴァイセン ◆◆◆
二十四歳。ヨハンナの兄。ヴァイセン男爵家の嫡男。
妹のヨハンナを大切にしており、元のヨアヒムの能力については認めている一方、夫としてヨハンナをあまり顧みなかったことには不満を持っていた。
ヨハンナの様子を気に掛け、シュヴァルツ家を訪れる。
◆◆◆ アンドレアス ◆◆◆
三十代後半。橋の建造経験を持つ大工棟梁。
小柄ながら太い腕とがっしりした肩を持つ職人で、徒弟のマルティンを連れてシュヴァルツ領を訪れる。
ぶっきらぼうで、身分や面子よりも実際に橋が建つか、壊れないかを優先する。
専門分野では妥協せず、必要とあれば貴族相手でも理由を示して反対する。




