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頑張っていたのは俺じゃない -楽をしたい領主代行の異世界領地経営-  作者: oldenhaldt
プロローグ

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プロローグ

 二十歳にして、父に代わり領地を治める若き領主代行。


 その名は、ヨアヒム・フォン・シュヴァルツ。


 病床に伏した父から領務を引き継ぎ、八つの村、四千人の領民を預かる男である。


 若いからと侮ることなかれ。


 領内の三つの村へ水を引くため、大規模な用水路工事を計画。


 必要な資金を商人から調達し、百名近い領民を動かし、工事を陣頭指揮する。


 測量も自ら行う。


 領内で揉め事があれば裁定を下し、隣領との交渉では長年険悪だった関係を改善してみせる。


 領民からの信頼も厚い。


 勤勉。有能。責任感もある。


 実に将来有望な人物である。



 ――以上が、昨日までの俺である。


 いや。


 正確には、昨日までこの身体で生きていた人間と言うべきか。



 一方の俺は、二十一世紀の日本で暮らしていたごく平凡な人間だ。


 測量なんてやったことがない。


 百人はおろか、十人の人間も動かしたことがない。


 もちろん、領地経営なんてしたこともない。


 そんな俺が、ヨアヒム・フォン・シュヴァルツの中の人となってしまった。


 そのうえ、できることなら楽に生きたい。


 これは、そんな俺の奮戦記――になる予定である。


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