表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/13

第9話 2つの謎

 フランクさんの家に着く頃には、辺りはもう真っ暗になっていた。

 だから、しっかりと見えたわけではないのだが、ダレル宅はかなりの豪邸だと言えるだろう。

 城門からダレル宅まで沢山家屋はあったが、ダレル宅ほど立派な作りの家は余りなかった。

 と言っても、その余りはダレル宅の周囲にあるのだが。

 

 イズミルの街の地形は傾らかな丘の形状をなしており、中央から貴族街、商人街、平民街となっている。

 ダレル宅は、商人街にあっても貴族街よりにある地形だろう。

 

 ダレル宅前で待つこと数秒、玄関から数人の人が出て来た。

 恐らく、ダレル宅の使用人なのだろう。燕尾服っぽいのを着た人とか、メイド服を着た人が現れた。


「お帰りなさいませ。当主様。

 見たところ、お怪我をなされておいでで。

 何か不測の事態でも?」


「ああ、昨日山賊に襲われてな。

 護衛も3人殺られた。その時、彼に助けられてね。

 彼は賓客として扱ってくれ」


「承知いたしました。

 まずは当主様、奥様お怪我の手当を。

 そして、お客様。私はこの家を任される身、エドモン マイヤと申します。

 以後お見知りおきを」


「こちらこそ。良太・御影って言います。

 厚かましくもフランツさんのご厚意に甘えることになりました。

 お世話になります」


「ほう・・・。

 お気になさらず、結構ですよ。

 リョウタ様は当主様の命の恩人。

 そんな方を門前で返したとあればダレル家の恥となりましょう。

 この屋敷に滞在するあいだは、どうぞ遠慮なくお寛ぎください」


「ありがとうございます。

 宜しくお願いします」


 俺とエドモンさんのお辞儀合戦は、流石の年の功にアッサリと敗退した。

 メイドさんの後に従って、家に入る。

 すごい豪邸だと思ったが、中も凄かった。

 終始キョロキョロしっぱなしの俺をクスクス笑いながらメイドさんは一階の一室に導いた。 

 ここが、今日の俺の宿だろう。

 

「今日からリョウタ様の専属となります、マルテ アトリと申します。

 お食事、湯浴み等は如何なされますか?

 お疲れでしたら、明日ご用意させて頂きますが」


「宜しくお願いします。

 食事は明日にします。疲れて食べる気がなくて。

 湯浴みって風呂ですか?」


 マルテさんは、キョトンとしながらそうです、と答えた。

 俺はまずい質問だったかと思い咄嗟に言い訳をした。

 

「ああ、すみません。

 なにぶん田舎から出てきたので、風呂の習慣がなくて。

 あ、それとこいつ一緒に連れ来ちゃいましたけど、部屋に入れてもよかったですか?」


「ええ、大丈夫ですよ。

 リョウタ様はお客様ですので、そのような事はお気になさらず。

 では、湯浴みの準備を致しますので、寛いでお待ちください」


 そう言って、マルタさんは俺の部屋から出て行った。

 

 ふう、なんとか誤魔化せたようだ。

 そう思いながらソファーに腰掛ける。

 そうしていると、ウルが俺の足に鼻をすり寄せてから、俺の近くで横になった。

 初めて来る場所で緊張でもしているのだろうか。

 てか、足が腹の下に埋まってるんですが。


 そうしながら、暇なのでウルのステータスを見てみる。


 

 名前:ウル

 種族:フォレストウルフ

 レベル:8  


 HP:133/133 

 MP:120/120 

 筋力:42

 俊敏:56  

 耐久:23

 魔力:12

 運 :30


 スキル:咆哮 爪・牙強化 危険察知 



 レベルが3も上がっている。上昇度が半端ない。

 1日で1上がったことになる。

 でもどうして?そんなに特別なことはしてなかったはずだが。

 

 考えてみよう。

 魔物がレベルが上がるようになるには、まずは他の生き物を殺したり、食ったりすることだろう。後は、動くこと。

 ウルとあって今日で3日目。やはり、特にこれといってなにかしたことはない。

 強いて上げるなら、森からここまで走ってきたことくらいだが、そんなことで1レベル上がるとは思わない。

 なにかすごい魔物でも狩って食ったのかとも考えたが、そんな時間はない。

 

 そういえば、今日はここまで朝飯を食ってからここまで何も食ってない。

 それは、ウルも同様だ。

 俺は、疲れすぎて何も食う気がしないが、ウルは違うだろう。

 コイツは、馬車を並走しながらでもまだまだピンピンしている。

 

「悪いウル。お前の飯のこと忘れてた。

 すぐに用意してもらうよ」


 そう言うと、俺の方を向いて首を横に振る。

 

「飯いらないのか?」


「ワゥッ」


 肯定とみた。しかし、朝から何も食ってないのに大丈夫なのか。

 

「ホントにいらないのか?遠慮しなくてもいいぞ」


「ワゥッ」


 また肯定とみた。ホントにいらないみたいだ。

 しかし、1日目は普通に魚を食っていた。

 だから、人間と食えないものとはそんなに変わらないはず。

 なのにいらない、なんか引っかかるな。


「リョウタ様、湯浴みの準備が整いました」


 おっと、もう準備できたのか。

 俺は立ち上がって、今行きます、と言って部屋を出た。

 追求するのは、風呂のあとにしよう。



 風呂から上がって、ウルに追求すること数時間。

 もうとっくに、家内は静かになっていて俺たち以外に起きていそうな気配はない。

 そんなことはさておき、なんとかウルが飯を必要としないこととレベルがすぐに上がったことが分かった。


 ウルは、俺の言葉を理解し考えることは出来ても、俺に伝えることはもちろん出来ない。

 そのことがこんなに面倒だとは、思わなかった。

 だが、どうにか理由を理解することが出来た。


 理由は簡単だった。

 ウルは俺の魔力を食っていたらしい。

 そんなこと出来んの?とか思ったがそうらしいので、そうとしか言えない。

 恐らくだが、調教師(テイマー)と使い魔だからこその出来事なのだろう。

 でなければ、人間同士で食い合えば貧困問題の一部が解決することになるだろう。

 

 そして、俺の魔力を食っていたウルだが、最初に食ったのは出会った2日目。フランクさん達に会った日だ。

 その日、森を歩いていて腹が減ってきた時、偶然俺に触れたら、自分の中に魔力が入ってきて腹が膨れたらしい。

 それからは俺に触れると魔力を自分から食っていたそうだ。

 最初はちょびちょび食っていたそうだが、俺の魔力が中々減らなかったので思い切り食っていたそうだ。

 因みに、一定以上食えれば腹は膨れるが上限はないらしい。


 そんなわけで、2つの謎が一気に解決してしまった。

 俺も今日は疲れたのでもう寝たい。

 明日は1日は休日も兼ねて、ウルのレベル上げでもやってみよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ