ショコラ国シャン村
棄民の村にも税金はあります
今日のアンディーヴ一行はシャン村という村に向かっている。シャン村とは、村とは名ばかりの棄民の寄せ集めの場所だった。様々な村から様々な理由でこの村に捨てられた棄民達が身を寄せ合って暮らしている村。当然何もなく、今日食べるものにも困る始末。納税なんてとても出来っこないのだ。
「皆様、ようこそお越しくださいました。何もないこの村を救ってくださるとお伺いしております。よろしくお願い致します」
「こちらこそよろしくお願いします。早速ですが、この村は周辺の探索などは既に行っていますか?」
村長が丁寧に出迎えてくれた。アンディーヴはその村長に村の状況を聞く。
「いえ、そんな余裕はとても無く…その辺の草や小さな鳥の肉で食いつなぐのが精一杯でして…」
「わかりました。では、村を窮地から救うため、周辺の探索を行いましょう。何か困窮から脱出するための力になる物があるかもしれません」
「はい」
「ですがその前に、ジェラール」
「はい。食料と飲み水をいくつかお持ち致しました。食料は保存食なのでしばらくは持ちます。村の皆様と分け合ってください」
「おお…!これは助かります、ありがとうございます!」
村長は村人達を早速集めて保存食と水を配り、久しぶりのまともな食料を涙を流して喜び合った。そうして食事を終えた村人達にアンディーヴが声をかける。
「さあ、食事を終えたところで、腕に自信のある方は集まっていただけますか?」
「村の周辺の探索をするので、一緒に行って欲しいんです!」
「村の周辺の状況が分かれば、狩りをするなり牧畜をするなり、農業をするなり何か特産品を作るなり色々できるかも知れないから、悪い話じゃないよ」
「それに、少なくともしばらく分の食料はこちらで用意しますから。安心して探索に出てくださいね」
村人達は顔を見合わせて、若い男数人がおずおずと手を挙げた。
「腕に自信…というのはないが、村の中では若い方です」
「俺達でお役に立てるのであれば…」
「では、よろしくお願いしますね」
「一緒に特産品探しを頑張りましょう!」
「いざとなったら俺やジェラールがいるから、安心していいよ」
「これでも腕には自信があります。皆様のことは必ずお守り致しますよ」
「ありがとうございます、よろしくお願いします」
ということで村の周辺の探索が行われることとなった。
「あ、こっちにはアボカドがありますよ!」
「お、あれってパイナップルじゃない?」
「アブラヤシがありますね」
「不毛の地なのかと思っていましたが、周辺の実りは豊かですね」
探索の結果、アボカド、パイナップル、アブラヤシが自生しているのを発見した。
「これからは、アボカドやパイナップルを育ててみたらいいんじゃない?」
「早速アボカドとパイナップルを持って帰りましょう!」
ということでアボカドとパイナップルを持って帰るアンディーヴ一行と数人の村人達。実は村の子供達に与えて、種を取り出した。
「では、早速やりましょうか。リュリュ」
「はい、アンディー様」
「ねえねえ、この村で農地を作っていい?」
「はい、願ったり叶ったりですが…」
「では、農地に出来る広い土地を紹介していただけますか?」
「はい、もちろんです」
村長に何もない広い土地を紹介される。アンディーヴとプリュネは土魔法を発動した。そこの土を豊かな土に変え、耕した。そしてそこに取り出した種を植える。そこに水魔法で適度な水を与えた。
「じゃあ、次は俺の奇跡の力で成長促進させるね」
ウィスタリアが指パッチンをする。するとアボカドの畑もパイナップルの畑もぐんぐんと異常な成長を見せて、やがて収穫出来る程になった。
「おお…!?これは!」
「すごい!アボカドとパイナップルがもう収穫出来るぞ!」
「早速商人に売ってこよう!」
「次に植える種の分は取っておいてくださいね」
「もちろんです!」
ということで早速アボカドとパイナップルは収穫されて売りに出された。アンディーヴとプリュネの魔法で栄養たっぷりな土と綺麗な水に恵まれて、ウィスタリアの奇跡の力で成長したアボカドとパイナップルはとても上質なものに育ったため、とても高値で売れた。そのため、しばらくは納税出来るだけの金銭が村にもたらされた。
「ありがとうございます、これで食べるものにも困らず納税することが出来ます」
「僕とプリュネの土魔法で畑の土を豊かにしておいたので、しばらくは肥料要らずですよ。頑張ってくださいね」
「はい、必ず無駄にはしません!本当にありがとうございました!」
「売りに出す時には、ちゃんと次に植える種の分は残しておいてくださいね。お身体にも気をつけてください!無理はしちゃダメですよ?」
「ありがとうございます、気をつけます!」
「植物の病気なんかには注意して育てなよね」
「はい、日々大切に作物達を守っていきます!」
「ショコラ国に滞在している間ならいつでも相談に乗りますので、何かあったら言ってくださいね」
「ありがとうございます、是非そうさせていただきます!」
こうして何もないシャン村はアボカドとパイナップルの名産地となった。村は豊かになり、納税もできるようになったのであった。
アンディーヴ一行のおかげで、少しは楽な暮らしになりました




