ep61 雲上の避暑地へ
……一三〇〇(ヒトサンマルマル)。
私は、灼熱の「アカネハイツ格納庫(駐車場)」へと降り立った。
そこには、重厚なギャラクシーブルーの装甲を纏った母艦、アルカディア号が待機している。
「……エアコンが生きてる。……それだけで、この艦は天国だ」
しかし、強行軍を開始する直前、計器チェックで致命的なエラーが発覚。
燃料残量がレッドゾーン。
近隣の補給ステーション(GS)で給油を試みるも、ハイテク母艦の心臓(水平対向エンジン)が要求するのは、高純度エネルギー「ハイオク」。
「……九、八、〇、〇……クレジット。……九千八百円だと?」
その金額があれば、近隣のネカフェという名の「簡易シェルター」に三日は潜伏できただろう。
だが、私の本能が告げている。
「ネカフェの三日より、雲の上の三十分をとれ」と。
「……全速前進! 目指すは長野県、霧ヶ峰のキャンプ場。標高一、六〇〇の天然冷房圏へ!」
アルカディア号のパワフルな推力に身を任せ、私は灼熱の都市部を脱出した。
サバイバル飯が確定した今、私の財布(兵站)は再び「もやし級」の緊張感に包まれている。
だが、フロントガラスの向こうには、涼しげなビーナスラインの緑が広がっているはずだ。
「……節約と冒険。……その比率は今、冒険側に大きく振り切れたぞ」
▼進宙・兵站報告(Deployment & Logistics)
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【進宙艦】 : アルカディア号
【現在地】 : 中央自動車道・ワープ航法中
【兵站(燃料費)】 : -9,800円(ハイオク満タン)
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【作戦目標】
・霧ヶ峰キャンプ場への安定した着陸。
・標高差による気温低下(マイナス10度)の観測。
・低予算(サバイバル飯)による、現地での生存時間の最大化。
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