ep24:異世界の香りがする麺
……起床。
前線基地にて目覚めた私は、補給拠点セイコーマートへ。
「乙女として、朝のカツ丼は戦略的撤退とする」
代わりに、宝石のような輝きを放つ「筋子おにぎり」と、すっかり依存症となった「ソフトカツゲン」を確保。……この甘み、もはや私の冷却水(血液)の一部だ。
大通公園から札幌駅への徒歩哨戒。地下鉄への無意味な乗船。
「……乗り物への愛は、理屈ではない。……動くもの、すべてが愛おしい」
昼過ぎ、戦友をアルカディア号で収容。
本日のミッションは、予算を抑えつつ最大級の満足を得る「定山渓・中山峠周回航路」だ。
友人のナビに従い、アルカディア号は中山峠の頂上へ。
「……これか。北の戦略兵器『あげいも』」
実食。
…………。
……美味い! 外側のサクサクと中のホクホク。この単純にして強力な質量攻撃に、私の胃壁は降伏した。
その後、定山渓へと降下し、日帰り風呂という名の「機体洗浄」を敢行。
「……良い湯だ。……このまま溶けて、石狩川へ流れていきたい」
だが、夜の帳が降りる頃、友人が提示した最終目標(晩飯)は、さらなる衝撃を私に与えた。
「山岡家」
店内に足を踏み入れた瞬間、私はバイザーを閉じたくなるほどの強烈な「生命の匂い(豚骨)」と、スケートリンクのように滑らかな床に面食らった。
「……何だ、この戦闘特化型拠点は」
だが、提示された「辛味噌ラーメン」を一口啜った瞬間、私の不満は霧散した。
「……美味い。……この床の滑りは、美味さの余剰エネルギーが溢れ出した結果なのか」
そして再び、戦場へ。
サッポロクラシックの波に呑まれ、もはや二人の胃袋という名の燃料タンクは「一樽分」の容量を突破。
私は昨日と同じドックで、深い、深い眠りへとワープした。
▼今回の作戦費用報告(Mission Expense Report)
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【投入資産】 【コスト】 【備考】
・峠の兵器: 500円 (三個連結の重装甲)
・機体洗浄(日帰り湯): 800円 (定山渓の恵み)
・山岡家(辛味噌) : 930円 (滑る床という名のトラップ付き)
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【合計コスト】 : 2,230円 + 夜の宴会費(測定不能)
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【作戦評価】
「あげいも」の摂取により、物理的な腹持ちが飛躍的に向上。
山岡家の匂いと床に耐性ができたことで、真の北海道冒険者へと一歩近づく。
明日はついに、最終日の哨戒。フェリーという名の「母船への帰還」に間に合わせる必要がある。




