ep17:小麦の惑星
※この物語は、1DKの宇宙船(賃貸マンション)と愛機アルカディア号を駆り。
大銀河という名の現代社会を生き抜く、一人の女性の等身大スペースオペラである
……警告。
財政状況、レッドゾーンに突入。
原因は明白だ。新造艦アルカディア号の「燃費」という名のエネルギー変換効率が、私の予測を遥かに上回る速度で食費を侵食したのだ。
「……背に腹は代えられん。これより本艦は、超省エネ航行モードへ移行する」
まず、嗜好品である高オクタン燃料(金麦)の補給を停止。代わりに、スーパーのPB品という名の「謎の第3のビール」を導入。風味に若干の違和感はあるが、酔えれば問題ない。
そして、今夜の兵糧だ。
給料日までの残存期間を計算し、私は最古の生存戦略を選択した。
「……小麦粉を、水で練る」
顆粒出汁という名の「旨味のナノマシン」を加え、フライパンで円盤状に成形。
おたふくソース、鰹節、紅生姜といった「デコレーション・パーツ」は既に枯渇している。私は中濃ソースとマヨネーズという汎用装備のみで、その小麦の塊をコーティングした。
「実食」
…………。
……うん。普通
だが、マヨネーズの脂質、ソースの塩分、そして小麦粉という名の「純粋炭水化物」。この三位一体が揃っていれば、生命維持に支障はない。
「ビタミン添加剤」として、残りのトマトを丸齧りし、栄養素の均衡を強引に保つ。
「……ふぅ。味気ないだと? 否。これは、次なる長距離巡航のための、聖なる儀式なのだ」
私はPB缶の最後の一滴を飲み干し、虚空を見つめた。
窓の外では、月明かりに照らされたアルカディア号のギャラクシーブルーが、静かに次の発進を待っている。
▼今回の作戦費用報告(Mission Expense Report)
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【投入資産】 【コスト】 【備考】
・基幹兵糧(小麦粉) : 30円 (練って焼いただけ)
・代替燃料(PBビール): 98円 (金麦より100円の節約)
・汎用塗装 : 10円 (マヨ不足を補う)
・多目的添加剤 : 80円 (母船の最終在庫)
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【合計コスト】 : 218円
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【作戦評価】
極限環境下での栄養補給に成功。
「小麦粉焼き」の飽きやすさは、アルカディア号のスペック表を眺めることで相殺可能。
貧乏学生の時によく作りませんでした?凄く悲しくなる味なんです。




