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見習い
「 ・・・ヘイジは箪笥に入ってたっていうんですが、タイゾウさんは、そんなもんなかったっていうんです」と、また疲れた顔をあげた。
箪笥に?と聞き返したいのを、ヒコイチはぐっとこらえる。
そうして目のあったサネが、首を前にたおすようにはなしはじめた。
「 ―― 妹が・・・ なんだかヘイジがおかしいのに、気づいたんです・・・」
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ヘイジは前まで、《大工の見習い》として働いていたのだが、五年も経ったので親父とおなじように《箪笥職人》になりたいと願い出て、いまはタイゾウが先代からついだ箪笥の工房で、また《見習い》からはじめたばかりだった。
元から親父のように箪笥職人になりたいと口にしていた息子を五年も《大工の見習い》にいかせていたのは、ヘイジにすこしばかり心配なところがあったからだった。




