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わからない
「 ええ、そうです。 それで、親方に認められて最後まで任されるようになったなんて手紙でしらせてきたころに、ちょうど息子のヘイジが生まれたんですよ。 妹の産後の肥立ちがあまりよくないっていうんでお暇をいただいて、あたしが産湯につけてね。おかげで妹ももちなおして、そのあとは、なにごともなく、妹夫婦も甥も、すごしていたはずでしたのに・・・・」
そこでサネは顔をあげた。
たしかにサネはもう若くもないが、セイベイほど年をとってるわけでもない。
四十路はとうにすぎているだろうが、ヒコイチをこどものように軽く扱うことはなく、亡くなったセイベイの妻に、いかによくしてもらったかをはなしてきかせるときは、娘のような顔をすることもある。
だが、いまあげた顔は、いつもよりずっと年をとってみえた。
「その『枕』っていうのは、どうやってきたんだい?」
母屋から手ずからはこんできたお茶を飲みながらセイベイがきく。
それが、とサネはまた顔をしたにむけ、あたしもよくわからないんですけど、と黒猫の頭をかくし包むように、手をおいた。




