99 2人目と3人目?
後ろのスライドドアを開ける。
電動の扉が両側共に開く、もちろん開けたのは俺とユウヤの二人だ。
犯人達は咄嗟の出来事で一瞬訳が判らずフリーズする。
「よお!俺たちも混ぜろよ!」
そう言った瞬間、後ろの席にいた二人を外に投げ飛ばし鳩尾に一発入れ悶絶させる。
その次に運転席にいた奴も引きずり下ろした。
犯人は4人、あと一人は3列目シートにいた為逃げられずに取り残されている。
恐怖に歪んでいる彼女の顔を見て、更に怒りが込み上げて来て小林に詰め寄った。
「おい!お前彼女に気があったんじゃないのか?
声掛けてただろ?友達から始めても良かったんじゃないのか!」
「うっ、うう・・・」
「なんなんだよ!自分だけ良ければ良いのかよ!?
ああっ?答えろよ!」
「い、いや、俺は協力しただけで・・・・」
「なんだよ!言われるがまま好きな女を拉致して乱暴するつもりだったのかよ!
それで?おこぼれにあずかるって事か?
なあ、お前男だろ?護るべき立場じゃ無いのか?
そんなんで、人を好きになる権利あるんか!」
残りの三人ドン引きだった。
こちらはユウヤに止められて少し落ち着いた頃、警察が来た。
事情を話し、犯人を引き渡す。
そこで先ほどの違和感を思い出した。
「おい、お前らもしかしてもう一人襲うつもりじゃ無かったか?」
一瞬、体がビクッとなった所を見逃さず更に追及。
「もう一人、最近待ち伏せ等の怖い目に遭ってる娘いるんだけどなぁ、どう思う?
偶然かなぁ、どうかなぁ?4人いて1人だけ襲って満足かなぁ?なぁ、小林くん?」
4人共に下を向いて震えていた。
警官の方も察したようで、事情聴取の為個別に尋問してくれるだろう。
震えて泣いている女性に、声をかけるスキルは持ち合わせていない為、ユウヤとクリスに任せる。
婦警の聴取がひと段落し、少し話せる時間をもらった為だ。
「お姉さん、大丈夫か?」
震えながらも頷く。
「たまたま近くにいて良かったよ、最悪の事にならなくて・・・といっても十分最悪な日と思うけどさ」
「そうだよ、難しいかもだけど早く忘れちゃいなよ」
「・・・はい、ありがとう・・・ございます。
あの、もう一人の方は?お礼を言いたいんですが・・・」
少し離れて様子をみている男に視線を移しながら話す。
「ああ、あの人ね。
少し女性にトラウマがあってコミュ障なんだ。
だから、私たちが伝えとくよ」
聴きながら偶然目が合った為男に頭を下げた。
男は手を挙げて対応する。
そうしているうちに、救急車が到達したので吉井さんを載せて行ってしまった。
あの後、警察から事情聴取を受けたが、公安の山口氏に連絡を取り、かなり無理な説明をしてもらって逃げる事に成功した。
これでこちらの素性は警察からは語られないはず・・だ。
集まった野次馬の人集りをかき分けなんとか帰宅。
家に帰り着いた所、サクラが出迎えてくれた。
無事に帰ったことで一安心したようだ。
「あのさサクラ、あいつらもう一人襲う予定だったみたいなんだけど・・・」
「多分、最後までビジョン見なかったからだと思う。
見始て直ぐに切れてリンク外れちゃったから・・・」
そうか、あの時襲われている映像見て頭の中真っ白になったからなぁ・・・反省。
「とにかく、これで3人助かったと思うから良しとしようか。
みんなありがとうな、協力感謝するよ」
「何言ってんの、当たり前だろ?
それに、あれは許せないし単独でもやったと思う」
女性陣は頷いている。当然の反応か。
「クリス、明日以降彼女達のフォロー頼むよ」
「もちろん、友達だからね」
さあ今日は外食でもするか。
問題も片付いたし、のんびり出来るな。
明日は休みだしな。
「外に食べに行こうか、何が食べたい?」
「「「焼肉」」」
若いな〜みんな。当たり前か。
「よし、じゃあ行こうか」




