ぽいーん
「おい、この枝豆……動いてないか?」
農夫のガルドは目をこすった。
俺は慌てて葉っぱを閉じる。
やばい。
危うく異世界転生した元人間だとバレるところだった。
現在の俺のステータスはこうだ。
名前:ミツマル
種族:枝豆
レベル:2
進化先候補:
・枝豆
・枝豆
・枝豆
「候補全部枝豆じゃねぇか!!」
心の中で叫ぶ。
茶豆になるために転生したはずなのに、どれだけ見ても枝豆ルートしか存在しない。
そのときだった。
ガルドの娘、ルナが畑にやってきた。
「お父さん、この子かわいい!」
そう言って俺をもぎ取った。
痛い。
めちゃくちゃ痛い。
だがかわいいと言われたので少し許す。
「この枝豆、目があるよ!」
「そんなわけあるか」
ある。
めちゃくちゃある。
しかも今、泣いている。
「よし。この子、今日の夕飯にしよう!」
やめろ。
かわいいの流れから食材になるの早すぎるだろ。
俺は全力で葉っぱを振った。
すると突然。
ピコン!
スキル【枝豆ジャンプ】を習得しました。
「きたぁぁぁぁ!!」
俺はサヤごと跳ねた。
ぽいーん。
高さ3センチ。
しょぼい。
だが革命的だった。
「きゃー! 跳ねたー!」
ルナが喜ぶ。
俺はもう一度跳ねる。
ぽいーん。
「かわいい!」
ぽいーん。
「かわいい!」
なんだこのゲーム。
好感度だけ上がっていく。
そのとき村の鐘が鳴った。
ゴーン。
ゴーン。
「魔物だ!」
村人たちが騒ぎ始める。
畑の向こうから現れたのは巨大なイモムシだった。
体長二メートル。
名前は――グリーンキャタピラー。
レベル5。
俺より強い。
めちゃくちゃ強い。
そして奴は真っ直ぐこちらへ向かってきた。
「まずい! 畑が食われる!」
農夫たちが叫ぶ。
その瞬間。
なぜかグリーンキャタピラーと目が合った。
キャタピラーは言った。
「うまそうな枝豆だな」
終わった。
俺の異世界ライフ。
開始3話で食われそうです。
グリーンキャタピラー。
レベル5。
俺より強い。
めちゃくちゃ強い。
そして奴は真っ直ぐこちらへ向かってきた。
「まずい! 畑が食われる!」
農夫たちが叫ぶ。
その瞬間。
なぜかグリーンキャタピラーと目が合った。
キャタピラーは言った。
「うまそうな枝豆だな」
終わった。
俺の異世界ライフ。
開始3話で食われそうです。




